♪屋根より高い鯉のぼり
理事長 廣辻逸郎
五月若葉映える端午の節句鯉幟の好季節になりました。
私たちの世代は兄弟5~6人は普通で学校でも近所でも各学年に遊び仲間がいました。今は一人っ子が多くなりました。親鯉の下に沢山の子供の鯉が並んで泳ぐ姿が見られなくなりました。いや都会では幟自体見なくなりました。
出生率は統計では昭和初期は5前後、35年2、現在は1と減少し、死亡率は昭和初期の124が35年には30、現在3と千人に3人しか死亡せずに育ちます。戦前とは比べようのない食事・医療・上下水道等々好環境のお陰です。逆瀬川も家庭排水が流れなくなってきれいになりました。上流では蛍が見られるそうです。
新学年で定期の学校検診が始りました。
最近は総体的にたくましい子が少なくなりました。小学校の高学年から上級になるほど何か寝不足な感じで元気がありません。そして肌が荒れた感じ。核家族で女性も仕事に就いているとお母さんも中々食事に手を加える時間が制限され野菜の摂取も少なくなるのでしょう。都会では筋肉労働することもなく、運動時間も少なくて体育系が減っている感じです。同時に男子もひ弱女子も手足が細くてふくよかな美しさに欠けます。高校生は男子も髪を伸ばしイケメンで優しく、女生徒かと見まごう子もいます。もうニキビ面もふけの子も見ません。
店頭には野菜・果物・肉・魚が山と積まれ、観光地は大賑わいです。でも自殺が3万人を優に超し、殺伐とした殺人事件が頻発しております。不況の波をまともに受けてその日の糧も欠く人がいます。もう一度昭和30年後半の活気溢れた日本の姿を取り戻してほしいと願っております。
高齢の私でも知っている某タレントが泥酔しまっ裸になっていて逮捕されたとNHKTVのトップニュースで放送されました。酔っ払いは嫌いだけどそんなにトップで放送しなければいけない事件なのでしょうか。泥酔した人に何で酔っぱらったかなぜ裸になったか分かるわけがないのに拘留して取り調べしなければいけないのか、また自宅の強制捜査までしないといけないことだろうか。あの実直そうな人でも前後不覚になるほど酔っぱらうことがあるのだろうかと同情してはいけないことか。大臣の「腹が煮えたぎるほど怒りを覚える」ことはほかにもっとあるはずです。ユーモアのない警察検察の峻烈な戦前の特高・憲兵時代の到来を恐れます。
健康とは! 老眼鏡は合っていますか?
屈折・調節という言葉を眼科医は簡単に使いますが、学問的には難しいことが一杯あって、この欄で十分説明できませんので、今回は患者さんと対応していて老眼について感じたことをお話します。
老眼(老視)は一種の加齢現象で、ピントを合わす眼の水晶体の弾力性が弱くなって光を網膜にうまくピント合わせ出来なくなった状態です。40代後半誰でも起こってきます。遠くがよく見える正視の人も、遠くが見にくい近視や遠視の人も同じように起こっています。ただ眼鏡が必要かどうかは、正視・近視・遠視そして生活状態によって全部違ってきます。突然手許が見にくくなったときは、ピント合わせに関係する眼の組織への薬品の影響や眼の病気によることがあります。自己判断は危険です。是非眼科を受診して下さい。手元を長時間見る生活が増えていますが、眼精疲労の名で安易に薬やサプリメントを使わずに眼科受診されるようお勧めします。
老眼という言葉に皆さんとても抵抗感がおありです。特にご婦人は嫌われて、「老眼ですね」と言いますと怖い目で医師を見られことがあります。肩こり・頭痛が老眼によることもあると覚えておいて下さい。女性は更年期症状と紛らわしくそちらの治療を受けても良くならず老眼鏡の使用で寛解することもあります。勿論他に病気がないことを確認する必要があります。
本屋さんの健康関連棚には、近視の治療や老眼鏡がこれで要らなくなったという本が沢山並んでいます。眼科専門医の執筆はなくてサプリメントの広告が目立ちます。私は其々の生活・屈折調節状態に応じて適切な眼鏡使用を勧めます。また遠近両用の眼鏡は使いにくいと言われる方もおられますが、この眼鏡は眼鏡店での調整の仕方が随分影響します。適切に処方調整すれば快適に生活出来ることを申し添えます。ゴルフボールが見にくい人は打球のホームを直して下さい。道具は使い方が肝要です。