眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m235

投稿日 2025年9月1日

忘れてはいけないこと

院長 廣辻徳彦

お盆を過ぎると日が短くなり夜風が涼しくなる、と言っていたのはいつ頃までだったでしょう。日暮は早くなってきましたが、毎晩熱帯夜が続いています。9月、10月も平均気温よりも高い予想で、11月も暑くなりそうだと天気予報では言っています。まだまだ熱中症には気をつけておかないといけません。
8月に戦後80年のことを書きました。第2次世界大戦後に国連などができているにも関わらず、中東や朝鮮半島、ベトナムをはじめとして戦争や紛争、内戦は絶えることなく続き、ロシア・ウクライナ、ガザ地区では終結の見通しが立っていません。親や子、知り合いを失くすようなこと、食料がなくて困るようなことは誰もがしたくないのに、戦いが止まないことに不条理を感じます。8月の間、特に終戦の日の前後には、戦争の検証番組やドラマが放送されました。いろいろな見方はあると思いますが、日本の侵略行為は一切支持しません。それでも、私が先の大戦で絶対に記憶し、将来2度と起こしてはならないと思うことは「原爆投下」と「ホロコースト」です。アメリカで原爆は戦争を早期に終わらせる手段だったと説明されることがありますが、非戦闘員を広範囲に巻き込み、継続して放射線の被害を及ぼし続けた原爆を肯定できる要素は一つもありません。終戦の年の年末までに広島で14万人、長崎で7万人が亡くなったと言われています。核兵器が存在する現状、核の傘で予防線を張ることを否定できない現実がありますが、使用すれば世界がどうなるかはわかっているのです。使用を仄めかせているロシアの大統領はさっさと引退してもらいたいです。
ホロコーストは歴史の記録の中でも最も罪深い出来事かと思います。ユダヤ人の歴史や、古代から中世にかけてなぜ欧州で差別、迫害されてきたのかを説明するには紙面が足りませんが、ヒトラーが首相になり全権を掌握して以来、ユダヤ人の公民権を奪い、居住区「ゲットー」に隔離し、ポーランドに殺人のためのアウシュビッツなど絶滅収容所を数ヶ所つくり、600万人が犠牲になりました。ヒトラーとナチスの罪は第一なのですが、民間人の中にも迫害意識を持っていたり、隠れているのを通報したりする人が多数いたことは間違いなく、人類が考え続けなければならない問題の一つだと思います。犠牲者の1人、アンネ・フランクが隠れ住んでいた家がアムステルダムに残っていて、博物館として隠れ部屋に続く当時のままの本棚や流し台、日記帳などが展示されています。原爆記念館とともに、一度は訪れておくべき場所だと思います。

健康とは!(生活とトイレ問題)

前回は災害時に備えて携帯用トイレなどの準備が必要であるという記事を書きました。大きな声で言いにくい話題ではありますが、生活する上でトイレ問題は重要な項目です。日常の家庭内であればほとんど気にすることもありませんが、阪神大震災の時は避難所のトイレ問題が深刻であったと記憶しています。災害時でなくても高速道路での渋滞時にトイレ問題は発生しますし、屋外コンサートや東京マラソン、神戸マラソンなどマラソン大会の開催時にも多くの臨時トイレが必要になってきます。昨年行われた神戸マラソンでは、スタート地点に419台,ゴール地点に191台、コース上には0.1-3キロメートル間隔に377台、合計987台の臨時トイレが設置されたそうです。スタートの市役所近くの公園にずらっとトイレが並んでいる光景は、マラソンの開催を意識していない人にとっては結構異様に見えるかもしれません。ところが、これだけの数の臨時トイレが準備されていても、途中どうしても我慢できずに用を足すランナーがいるらしいです。「生理的に我慢できないことはどうしようもない」と言われればそれまでですが、公衆衛生上だけでなく法律上もアウトな行為なので、大会によっては行為を確認されれば即失格というルールを設ける場合もあるようです。
先日、クリニックの2階のトイレの「暖房付温水洗浄便座(いわゆる○ォッ◯ュレット)」が壊れました。10数年以上使用している電化製品ですので仕方がないことですが、さすがに取り付けてもらうにも日にちがかかるので、しばらくは洗浄機能なしで過ごしました。洗浄便座を使用することに慣れていると紙だけでという生活に簡単には戻れず、新しいものが取り助けられるまでペーパーの使用量がかなり増えてしまいました。2022年の調査では、日本における一般家庭での普及率は82.3%とかなりの数字ですが、外国ではそれほど普及していません。これには文化的な差異も大きいと思われますし、電気や水道の規格の問題があるとされています。日本に旅行した人が感動して自国に帰って取り付けたという話も聞くので、長い年月が過ぎれば海外でも普及するかもしれません。日本でも、「特に必要ない」、「清潔の面で気になる」などという理由で使用しない人はたくさんいますので、やはり慣れの部分が大きいのかとも思います。清潔面においては、特にノズル部分などはまめにお手入れ(掃除)をしておく必要があります。
健康で生活をする上で無視できないものの一つがトイレ問題ですので、改めて考えてみた次第です。