眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m213

投稿日 2023年11月6日

今年は暖冬?

院長 廣辻徳彦

気象庁が向こう3ヶ月の予報というものを発表しています。それによると、「寒気の影響が弱いため、向こう3か月の気温は、北日本では平年並か高く、東・西日本と沖縄・奄美では高いでしょう。また、向こう3か月の降雪量は、北日本日本海側では平年並か少ないでしょう。」「向こう3か月の降水量は、低気圧などの影響を受けやすいため、東日本太平洋側と西日本では平年並か多いでしょう。」と、暖冬傾向であるとのことです。10月も朝晩が少し冷え込みましたが、昼間は上着がいらないほどの気温が続きました。湿気が少ないので爽やかではありますが、寒暖差に身体が負けないように注意したいものです。
これから暖冬かもしれないといっても、新聞広告やデパート、スーパーで「お節」の予約の受付が目立つようになりました。数年前までは宝塚に母がいたので、弟や義兄と家族で集まって母が重箱に詰めてくれたお節をいただいていましたが、母が亡くなってからは「手作り」のお節はなくなってしまいました。今では神戸の我が家に二人の息子が家族を連れて帰ってくるようになりましたが、黒豆を炊いたり栗きんとんを作ったりする以外はお節を注文しています。義理があるので2ヶ所にお節を注文していて、余らせてはいけないと大晦日からお酒のあてに解凍している状況です。私がよく見ているユーチューバーのKさんが作成した「海手箱」というお節も既に予約がたくさん入っているらしいですが、夏の頃から作って冷凍しているということです。核家族でかつ夫婦で働くことも多い現在、昔のように何種類もの品数を作ることは難しいので、お正月こそ少し手抜きして、のんびりと上手に作ってもらったお節をいただくのもいいかと思います。
ラグビーW杯は南アフリカの連覇という結果で終わりました。決勝トーナメントはどの試合も素晴らしい試合の連続で、特に決勝は今大会最多トライ数を記録しているオールブラックスの攻撃を、南アフリカが鉄壁のディフェンスで封じ込めました。日本も強くなって差が縮まってきていると思ったのですが、決勝トーナメントになるとどのチームもギアが数段上がるようで、まだまだ大きな差があることを感じさせられました。野球の日本シリーズは阪神、近鉄沿線で局所的にとても盛り上がっていますが、あと数日で終わります。12月になればW杯で活躍した選手がやってきて、日本のラグビーのリーグワンが始まります。できれば一度スタジアムに足を運んで、世界のトップクラスの選手のプレーをご覧になってはいかがでしょうか。

健康とは!(違憲!:性同一性障害特例法)

10月に最高裁判所の大法廷で「性同一性障害特例法」の要件について、法令が違憲であるという判断を下されました。最高裁判所が三審制の最終審判をする時は、一般的に5名の判事で行う小法廷で審理され、ほとんどがこれで審理や裁判が終了しますが、法律、命令、処分や規則が憲法に適合するかどうかを判断する際には15名で審理する大法廷の判断に委ねられます。「性同一性障害特例法」は、トランスジェンダーの人が戸籍上の自分の性別を変えたい時に満たすべき要件を定めたものです。どのような要件かというと、1.18歳以上である、2.現在結婚していない、3.未成年の子供がいない、のほか手術要件として、4.生殖不能である:生殖腺(精巣、卵巣)をないかその機能を永続的に欠く、5.外観:変更する性別の性器に似た外観を備えている、というものです。4.の要件は、精巣や卵巣を手術で取り除かなければならないという意味です。今回の最高裁の審理は、手術をしていない申立人が、「ホルモン注射などで手術をしないでも要件が満たされていて、そもそも手術要件が違憲であるので変更を認めて欲しい」と訴えたのに対し、家裁と高裁が4.の要件から性別変更は不許可とした(5.については判断せず)ことに対する上告審でした。
判決では、15人の判事が全員一致で4.について違憲であると判断しました。すなわち、これからは性別の変更に関して生殖線の手術は不要であるということです。5.の外観を似せる手術についての判断は高裁に差し戻されましたが、3名の判事が外観の手術も違憲であると反対意見を述べています。
自分の性自認だけで、ホルモン投与や医師の診断もなしに、簡単に性別が変えられるという判断ではなく、身体に「手術」という大きな負荷を強いることが、不合理であるということなのだと思われます。多様性の時代の中、このような事例が増えていくことは自然なことと思います。ただ、例えば生まれつき男性であるトランスジェンダーの人が「女性」に戸籍変更が可能になったとして、外観に男性の状況が少しでも残っている状況でロッカーやお風呂など女性専用のスペースに入れるのかというと、疑問が残ります。法律的には「女性」なので問題ないのでしょうが、(一般の)女性にとっての安心や安全を犠牲にする多様性であってはいけないからです。心と身体のバランスと自認はそれこそ各人で違いますから、法律で縛るだけでなくさらに理解し合うようにしていくべきであろうと思います。