眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m212

投稿日 2023年10月2日

やはり京都は観光客で

院長 廣辻徳彦

「暑い」という言葉を毎日聞き続けたような9月でした。東京では真夏日(30℃以上を記録した日)が90日を超えて観測史上最多になったようですが、今月は秋らしくなって欲しいところです。秋は旅行のシーズンで、どこも観光客が多いというニュースを耳にします。「処理水」問題で中国からの団体客が少ないと言われているものの、秋分の日の連休に京都に1泊旅行をし、台湾や東南アジア、欧米からの旅行者が多いことを実感しました。最近は京都に限らずホテルの開業が多く、しかも外国客の訪日を目論んでいるのか、高級路線で結構高い宿泊料金がかかります。ただ、京都にはこれも外国客をターゲットにしている一棟貸しの「町屋」もたくさんあります。一軒家ですので台所とリビング+2部屋くらいの間取りのところが多く、料金もリーズナブルです。今回は鴨川に面した町屋に宿泊し、夕食は外のレストランで、朝食はスーパーで調達して部屋から鴨川を眺めながらいただくのんびり旅行ができました。ちなみに隣の町屋には欧米からと思しき一家が宿泊していました。京都には国宝や重要文化財があふれていて、行けばお寺や仏像を眺めて回るのですが、今回は初めて六波羅蜜寺に行って、教科書に載っている「平清盛坐像」と「空也上人像」を見ることができました。やはり実物を目の当たりにすると、「見られてよかった」と嬉しい気持ちになります。仏像というと如来像や菩薩像、四天王像などがありますが、四天王像は東を「持国天」、時計回りに南を「増長天」、西を「広目天」、北を「多聞天」が守っています。この順番に「地蔵買うた(じぞうこうた)」と唱えると覚えやすいので、お出かけになったらどこかのお寺で確認してみてください。
さて、プロ野球のセ・リーグでは阪神が18年ぶりに優勝し、パ・リーグではオリックスが3連覇しました。CSを乗り越えれば、「関西ダービー」というご当地以外盛り上がらない日本シリーズになりそうですが、期待したいところです。ラグビーW杯では、過去に2回の優勝を誇る豪州の予選敗退が濃厚な状況です。英の4カ国と仏、南半球3カ国(NZ、南ア、豪州)という強豪8ヶ国と、イタリア、アルゼンチン、太平洋諸国や日本とのレベル差は、この10年で間違いなく縮まってきています。10月8日に行われる試合で、日本は強敵アルゼンチンに対して勝利を得て決勝トーナメントに進めるでしょうか。もうしばらくは時差の加減で眠くなりながら、ラグビーW杯に釘付けになりそうです。

健康とは!(自分の身体を調べよう)

先日、身内がガンの手術をしました。体調に少し異常を感じて検査をしたところ、細胞診でガンの疑いがあるという結果になり、さらに精査をしてガンが見つかったという経過です。日本人の2人に1人はガンになると言われているこの時代、ガンが見つかる事自体に驚いていてはいけないのでしょうが、実際に自分にそれが起こった際に冷静でいられるかといえば難しいと思います。ですが、ガンがみつかった以上、よほど高齢とかでない場合には「放置する」という選択肢は取りにくいところです。患者サイドで具体的な治療を考えることはできないので、病院でどういった治療が必要かを聞くことになります。現在は、それぞれのガンについて「治療のガイドライン」があります。ガンの大きさや転移の有無、組織の形態を検査してステージを分類し、それに応じて手術、放射線、抗ガン剤などの化学療法を選択して組み合わせて治療するのです。ですから、ガンという診断がついた後には、治療方針を決めるためにさまざまな検査をしなければなりませんし、そのために入院が必要なこともあります。そして、主治医からその説明を聞いて、同時に入院の準備をすることになります。準備には、入院するための事務的な手続きや家庭や仕事のやりくりなどもあり、入院の予定に合わせての調整も必要です。このような準備は自分の病気でも家族の病気でも気持ちの整理だけでも大変ですし、時間的、物理的にも大きな負担がかかることになります。
今回の場合は、私も妻も医師なのでそれなりの知識があったこと、ガンの治療をしてくれる専門領域の医師と手術時に全身管理をしてくれる麻酔科の医師が大学の同級生で、しかも二人とも母校の教授(そのうち一人は病院長)であったということなど、融通がつきやすかった状況でした。ですので、あまり参考になりませんが、いざ病気で入院という時にのため、いろいろな状況を考えて備えておくことは必要です。今回も、特に健康に問題がないと思っていたところに症状が出てガンが見つかっています。ガンに限らず、特に自覚症状がなくても病気が進行していることがあるのです。眼科の病気でも緑内障や糖尿病網膜症で「見えにくい」と気がついて受診された場合は、かなり進行していることが多いのです。荷物の準備ということは現実的ではありませんが、自覚症状のないうちに病気を見つけるために、自分の身体を調べる健診や検診を受けておくことは意味のあることだと思います。