眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m209

投稿日 2023年7月3日

7月のお祭り

院長 廣辻徳彦

7月初めは梅雨の真只中で、今年も蒸し暑い日が続いています。6月のうちから30℃を超える真夏日になっていることを考えると、7月、8月は一体どうなるのかと心配になります。室内にいても熱中症になることがあります。毎年のように電力不足が心配されてはいますが、冷房を上手に使用しつつ、水分補給を心がけて暑さ対策をしていただきたいと思います。
例年どおりであれば7月後半には梅雨が明けて夏がやってきます。日本3大祭に数えられている大阪の天神祭と京都の祇園祭は関西を代表する夏の風物詩と思います。天神祭は各地の天満宮が行うお祭りのことですが、大阪天満宮が行う天神祭が最も有名になっています。大阪天満宮が鎮座した2年後の天暦5年(951年)に始まったとされていて、現在は6月下旬吉日から7月25日にかけて行事が執り行われています。ハイライトは25日に行われる陸渡御(りくとぎょ)とそれに続く船渡御(ふなとぎょ)で、御霊をうつされた御鳳輦(ごほうれん)を中心に天満宮から天神橋を経て大川を遡り、反転して天満宮へと帰ります。船渡御の途中には奉納花火が打ち上げられ、天神祭といえば花火という印象も強いものになっています。
祇園祭は7月16日の宵山、17日の山鉾巡業が有名ですが、八坂神社が7月1日の「吉札入(きっぷいり)」から31日の「疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしまつり)」まで行う各種の神事や行事と、祇園祭山鉾連合会が行う山鉾巡業とが合わさったものだそうです。疫病が流行した貞観11年(869年)に、祇園社から神泉苑に神輿を送って災厄の除去を祈ったことに始まるとされています。祭のハイライトは、17日と24日に行われる八坂神社の3基の神輿と34基の山鉾が市内を練り歩く「山鉾巡業前祭・後祭」と「神幸祭」、「還幸祭」で、山鉾巡業は重要無形民俗文化財に指定されています。宵山(宵々山、宵々々山)では山や鉾の中の見学や粽(ちまき)の購入などもでき、京都の街が賑わいます。山や鉾はペルシャ絨毯などで飾られていて、巡業では動く美術館とも言える大きな山鉾の移動が楽しめます。京都では玄関にそれぞれの山や鉾の粽や、「蘇民将来之子孫也」の護符を飾っている民家も多いので探してみてください。
今年は外国からの観光客も含めて多くの人で賑わうことが予想されます。コロナウイルス感染も無くなってはいませんが、熱中症にも気をつけながらお祭りも楽しみたいものです。

健康とは!(健診について)

健康であれば病院やクリニックに受診することはありませんが、病気があるかどうか確かめるための「健診」と「妊娠、出産」に関しては、異常ではない状態で受診します。健診で何か異常なところがあれば詳しい検査へ進み、病気が見つかれば治療が行われます。多くの病気では早期に治療を始めれば良い結果につながるので、健診はとても大切といえます。病気を予防したり健康な生活を送ったりするために、0次予防(環境を整えて病気にならないようにする)、一次予防(生活習慣を改善し病気にならないようにする)、二次予防(病気の早期発見をする)、三次予防(病気の治療をする)と段階的に対策を考えるのですが、健診もその中で役割を果たしています。
「けんしん」には「健診」と「検診」の2種類の漢字がありますが、その意味は異なります。健診は健康状態を確認し、病気を予防することも目的とする健康診断のことです。学校では学校保健法で身体測定や皮膚、目、歯、耳鼻咽喉、心臓や脊柱などの健診をすることが定められていますし、職場では労働安全法で職場健診が行われていて、40−74歳で受けられる生活習慣病などを予防する特定健診(メタボ健診)というものもあります。健診は身体の一般的な検査を行って生活習慣を見直すための一次予防といえます。それに対して、検診は特定の病気を発見するために行う検査で二次予防に当たります。 代表的な検診には、がんの早期発見を目的とした「がん検診」があり、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がんなどで行われています。胃がん検診は、私が学生の頃には「胃透視」が主体でしたが、放射線の被曝問題や精度から、現在は内視鏡による検査が主流です。健康保険の適応外である人間ドックや脳ドックなどは「健診」に該当しますが、内視鏡検査やCT検査、PET検査なども検査する医療機関もあり、「検診」の要素も含まれているといえます。
さて、眼科の病気で最も失明頻度の高い病気は緑内障です。健診で眼圧測定が行われることは多いのですが、早期発見には眼圧検査よりも眼底検査がはるかに重要です。しかし、眼底検査は特定健診には含まれておらず、たまたま受診した眼科で偶然見つかることも少なくありません。医療費削減の流れがあるので難しいところですが、眼底検査が普及するように眼科医会が国に働きかけています。
皆さんも健診(検診)を受ける機会があれば、前向きにご検討されるのが良いかと思います。