眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m228

投稿日 2025年2月3日

震災後30年

院長 廣辻徳彦

今年は阪神淡路大震災が起こってから30年目に当たります。震災当時は今の居住地(神戸市中央区)から徒歩10分ほど東側の3階建てマンションの2階に住んでいました。突然の地響きと跳ね上げられるほどの縦揺れに続き、それまで感じたことのない地震の揺れに呆然とし、すぐに子供を確かめました。倒れたタンスがあと30センチずれていたら、当時1歳半だった下の子が下敷きになっていたかもしれません。当初東京から流れたニュースの第一報は、「東海、北陸に強い地震」というものだったということですが、こちらは停電したため全く状況が分からずじまいでした。少し明るくなった近所を歩くと多くの倒壊した住宅があり、どこからか漂う焦げ臭い匂いやガスの匂いに不安を感じました。どういうわけか居住地の周囲は早いうちに停電が解消し、自宅でテレビを見て状況確認をしたと覚えています。地震のあと電車が復旧するまでの間、私は勤務していた高槻の病院の当直室に泊まり込み、妻は自宅に残って神戸の病院に勤務、子供たちは妻の実家に避難という別れ別れの生活を送りました。その年の終わりに始まったのが「神戸ルミナリエ」です。スマートフォンもなく前情報ありませんでしたが、神戸大丸での買い物帰りに東遊園地に向かう通りで偶然見かけた光のトンネル、それはため息が出るほど綺麗なものでした。以後はだんだん商業的な色合いが濃くなって交通規制などで敬遠される声も聞かれるようになってしまいましたが、今年は年末でなく1月末に開催されています。災害が起きるたびに話題になる「日頃の備え」ですが、改めて「食料と水」、「トイレ」、「バッテリー」に関わる準備だけは考えておかないといけないと思っています。
昨年、東京に出かけた折、歌舞伎座で一演目だけを「幕見」の4階席で観てきました。いつかはしっかり観てみたいと思っていたところ、玉三郎さんと仁左衛門さん(「にざたま」というそうです)の新春歌舞伎が大阪であることを知りました。ダメもとで確認したところ、千穐楽のチケットが最終で2枚だけ残っていて購入できました。当日、気合を入れた妻は朝から着物を着付けてもらい、松竹座で至福の時間を過ごしました。歌舞伎に限りませんが、「推し」にハマる人の気持ちがわかったような気がした経験でした。

健康とは!(夢を見ていますか)

1月のある明け方、ロボットに攻撃を仕掛けられるという夢を見ました。夢の中でロボットを避けて転んだと思った次の瞬間、強い衝撃を受けて目が覚めました。何とベッドから転がり落ちてベッドサイドの小テーブルに顔面をぶつけてしまったのでした。身体は床に落ちたので首や腕や腰にも痛みがあり、しばらくうずくまっていたほどです。唇にできた傷からは夕方までじわじわ出血し、マスクで隠せたもののしばらく青あざもできてしまいました。
夢とは、眠っている間に現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像、幻覚のことをいいます。睡眠中の脳波で、急速眼球運動と骨格筋活動の低下を特徴とするレム睡眠といわれている状態で夢を見るとされています。一晩のうち90-120分の周期でレム睡眠になり、朝方になるにしたがってレム睡眠の持続が長くなって全体の約20%を占めるそうです。健康な人をレム睡眠期に起こすと約8割で夢を見ていたという報告もあります。吉兆夢、予知夢、悪夢、夢占いなどさまざまな言葉もよく聞きます。初夢では縁起の良いものを指して「一富士、二鷹、三茄子」といいます。続きは「四扇、五煙草、六座頭」というらしく、意味合いは富士と扇は末広がり、鷹と煙草の煙は高いところへ上るので運気上昇、茄子と座頭は毛がない=怪我ないというものだそうです(諸説あります)。夢は自分が経験したことや聞いたり見たりして記憶のどこかにあることをベースにして、睡眠中に脳が感じるものです。夢を分析してその人の性格などを考えるというのも、全く見当違いではないのかもしれません。
健康状態が夢で推測できるということを言う人たちもいるようです。癌や結核、心臓発作が事前にわかるような夢を見ることがあったり、発熱やPTSDなどのストレス、低血糖状態や妊娠中などに悪夢を見ることがあったりするそうです。確かに低血糖時には意識が混濁することがあるので幻覚のようなものを感じることはありますが、おそらく身体の調子が悪いとそれを何らかのせいにしたり理由づけをしたりするのに夢と結びつけるように感じているのかと思います。それでも、夢を見て何か健康状態を気にするきっかけになれば、実際に健診に行ったり運動したりするのは悪いことはありません。気にしすぎはどうかと思いますが、夢占いのようなことだと馬鹿するよりもよいことかもしれません。ただ、ベッドから落ちるような夢はもう勘弁してもらいたいものです。