稲むらの港おだやかわかめゆれ いつを
理事長 廣辻逸郎
春の季語わかめ干しが2月末に放映されていたので撮ってみたくなって和歌山由良町に走った。この辺りは教科書にも載って有名な『稲むらの火』の地域で標識や記念碑が建っている。
1854(安政元年)浜口儀兵衛が地震のあと海の汐が大きく引くのを見て津波の襲来を予想し、刈ったばかりの稲むらに火を放って大事を知らせ村民を山に呼び寄せて犠牲を無くした。更に防潮堤を作った為1944(昭和19年)の東南海地震時の津波から免れている。
2011年3月11日東日本大地震と十㍍を越す津波で東北地方に大災害を与えた。死者行方不明者18457人さらに福島第一原発破壊で甚大な損害を起こした。原発事故はその収拾にあと何十年かかるか分からない。ここ宝塚も1995(平成7年)阪神淡路大震災で死者家屋損壊と大被害があった。身内や友人に被害を受けられた方もおありでしょう。私は東北の時は台湾旅行中で最終東海岸での土着民の踊りを見る予定が急に中止になってどうしてだろうと不審だったが宿に帰って大津波を知って驚いた。阪神地震時も破砕帯を免れていたか家屋の揺れも少なく箪笥とカルテ棚が少し倒れただけであった。神戸本山在住の次男宅も倒れた箪笥の間で子供もけがをせずに済んだ。六甲周辺で数件回って決めた息子のマンション以外はすべて崩壊していて運が良かったと話をした覚えがある。私も8歳の時大阪で室戸台風。津在住時の南海地震では隣の建物が壊れ住まいも大揺れして、余震では深夜海鳴りごとに逃げ出した、日本は台風や地震多発国で毎年のように大きな被害が起きている。東北被災時家も車も飲み込む津波の映像は恐怖以外の何物でもない。
でも紀州の百六十年前に被災した土地も記念碑の横海抜4米の地で沢山生活をしている。高地でなく交通至便な地を求めるのも仕方ない。生死を別ける運不運もなくはないが、これからの自然災害に人智を集めて防護しょう。原発を一日も早く使わなくて済むよう自然エネルギー開発の更なる発展を願いたい。
由良町のおだやかな海辺で揺れる小舟や風にそよぐわかめを前に自然の災害を考えてみました。
健康とは! 百歳の幸福感
ラジオの深夜便で慶応大学特任教授廣瀬信義氏が表記の題で話をされていた。百歳以上が1963(昭和38)153人であったのが2014(平成26年)58.820人と80年間に400倍近く増えている。今後益々増えることでしょう。因みに87%は女性で、日本人平均寿命は男子80.21 女子86.61である。
今月記事に取り上げたのは、昨年末に兵庫県内女性の最高齢者に私の懇意な方がなられたと新聞に出てお祝い状を差し上げて早々に先日亡くなられ、そのあとの女性最高齢者が宝塚市内在住の方と新聞に掲載されていた。近くにお住まいで一層のご長寿ご健康をお祈りするばかりです。
さて教授が百歳以上の方800人余と面接された結果によると女性は長生きだが生活機能が低下しているのが目立ち逆に男性は元気者が多いとのことで、好奇心が旺盛で新しいことにチャレンジする人が多いそうです。逆に女性は膝や腰の痛みから致命的ではないが寝たきりの人が多い。高齢で骨折が多くなるが大腿骨や脊椎骨折でなく手首の骨折でも大きな骨折を怖がって体の動きが少なくなくなることが多いそうです。高血圧も問題ですがある程度は高い方がよさそうで低すぎると機能低下が起こると話されている。サラリーマン時代のストレスの影響はどうですかの質問に教授は野生の霊長類の調査で、霊長類も雌が多いが、一夫一妻の方が長生きするそうで、メスを争うことでストレスが多いのでないか。人間も仕事で偉くなろうと仲間との争いでストレスが関係する。認知症も問題ですが急に発症すると周りも本人も対応に迷うが,徐々に進行すると対応がし易く、それに介護法も制度も随分進歩してきた。食事のことも歯が悪くなって食事し難くなることも長生きに影響するから歯の維持も大事なこと。食事内容についても現在100歳前後の人は成長期に空腹を抱え、栄養のバランスを揃えた食事をしたとは言えません。むしろ成人病対策が必要でしょう。体質も関係しましょうが遺伝子の問題等未調査の部分が多いそうです。総じて長生きの人は明るくて幸福感が強い。辛いことを忘れぬ人より好いと言われます。笑いの大事なことは他にも沢山言っておられます。狂言師の善竹十郎氏も笑いの大切さを講演でも広げておられ心の持ちようが大事。早起き・商売熱心・感謝の気持ち・笑いの生活が肝要と説いておられます。
寝たきりでない元気な長生きを目指しましょう。