今年はいかがお過ごしでした
理事長 廣辻逸郎
この記事を書いているときはまだ十一月ですが、年末を迎えました。
夏の総選挙で長い自民党政治から民主党に変わりました。まだ急に世の中不景気が好転してはくれませんが、多くの国民の中には期待感が多いと思います。国家戦略室や事業仕分けなどもう少しスマートな名前がなかったかと思いますが、実質的に色んな無駄がオープンにされておおむね好感を持って見守られています。教育や研究部門は直ぐに成果が見られないだけに慎重に査定されるべきでしょう。
物価が安いのは消費者からは受けますが、却ってデフレを心配します。私自身コープさんやスーパーに買い物に行きませんが、妻の買い物袋から、大きな大根一本百円だったと聞くと「へー」と思います。この大きさになるのに何日かかっただろう、消費者の手に渡るまで何人の手を経て来ただろうと思うと農家の苦労が思いやられます。千円もらっても鰯一匹取ってこれません。他方最低時給を千円にという声もあります。道路・運送の整備で物流が変わり、販売網が出来て個人商店の経営は難しくなってきました。優れた腕を持ちながら仕事がなくて倒産しかねない町工場。町にあふれた失業者の記事があればミシュランの星の料亭は予約で一杯のニュース。東京オリンピックに歓声を上げ、新幹線が走り、吹田の万博に日本人が大移動したあの熱気は去り、一億総中産階級と家族団欒した時代は遥か彼方。金持ちと貧乏人が勝者と敗者と二極化し心貧しい日本人になってしまった。この政治を変えなくてはと新政権に期待しています。
医療の世界も変わっております。内科・外科でも循環器消化器呼吸器科等に特科し、眼科も緑内障・眼底・斜視弱視・感染等専門化しております。更に高度な診断機器が開発され、新治療法も進歩して医師患者共朗報ですが、医療費問題が関与してきます。貧富に差のない医療体制は継続して欲しいと願います。 そして皆が心身とも健康で元気に明るい新年を迎えましょう。
健康とは! 肩書きや権威に惑わされない
私が眼科を専攻して間もない頃、論文を書く時教官に、他人の論文は嘘を書いていると思って読むようにと指導されました。論文にして発表する以上十分実験考察されていると考えていましたが、確かに結論に無理な論文があります。特に薬剤の治療効果の報告は薬品会社の提灯持ちがあります。(現在は厳しいです)新聞・テレビも何時も正確に報道されているとは誰も信じてはいませんが、それでも新聞報道は真実と思われます。先般神戸で新型インフルエンザが発生した時、最初に保健所に届出した開業の先生が、如何に記者の感覚で報道され迷惑したかを医師会報に語っておられました。
大分前に、卵を一日2個以上食べるとコレステロール値が高くなると東京の某高名な教授が発表され大きく報道されましたが、現在誰も信じません。今、卵ほど安価で栄養に富んだ食品はありません。
新聞テレビに色んなサプリメントの広告が毎日のようにされています。自分の好きな俳優さんが言っているから私も使ってみようと思われましょう。ただ何時も申しているように、サプリメントは食品で、薬剤でありませんから、効果や内容については国の厳しい検査を受けておりません。
先日テレビを見ていたら高齢だが、でもとても元気なおばあさんが“食べ物は薬ですから”と毎日の食事を大事に摂っている映像が出ておりました。
肩書きや権威に惑わされない皆様の賢明な生活を願って記しました。