遊び上手が羨ましい!
理事長 廣辻逸郎
9月に医師会旅行で豪州ゴールドコーストに行きました。一度コアラの国豪州に行ってみたいと予備知識もなく参加しました。ゴールドコーストは有名なリゾート地で、日本の芸能人も沢山コンドミニアムを持っているそうです.大通りに面して紺碧の海と白砂のビーチが拡がって若い男女がサーフィンで波に乗っていました。翌日サンゴ礁では白いサンゴの間を色彩豊かな魚が泳ぎ、脚をつついてくすぐったい。宿泊して家族連れでリゾートしている風景も見られました。それぞれに生活をエンジョイしています。
私達昭和初期に育った世代は戦争突入まっしぐらで、お国のため天皇陛下の為にその身を捧げよと洗脳教育されて遊びは以てのほかで軍事訓練に明け暮れ遊びは罪悪でした。戦争が終わっても食べること、生きることに精一杯で遊びは遥か遠くのものでした。
日本がアメリカだけでなく世界相手に戦争し、惨めな敗戦に至った歴史も知らない世代が、不景気って何のこと、食べること着る物何不自由なく、「人間何のために生まれてきたか」と問われたら躊躇なく「遊ぶため」と答えることでしょう。遊ぶために働くのだと。しかも遊び方の上手なことが今更ながら羨ましい。『働く』の反対語は『怠ける』であって、『遊び』ではありません。『遊び』の反対語はありません。朝6時もう電車は通勤通学の人達で満員ですし、夜10時になっても、帰宅を急ぐサラリーマンで混んでいます、よく働きよく遊ぶ。日本人は真面目だなと思います。 テレビの馬鹿タレント番組に何も知らない連中だと笑っていましたが、一体お前はどれだけ知っているのだと問われたら、何も知らない自分が恥ずかしくなります。専門の眼科ですら知らない事項不明な項目が一杯です。野に咲く花も、周りに飛ぶ虫の名前も知りません。小指の先のちっぽけなことしか知っていないのです。名誉の戦死どころか、餓死したり、消化器伝染病で野垂れ死する戦争から解放された現在です。若い人だけでなく皆しっかり働きそして思いっきり遊ぶ。各々の人生を歩まれますよう願っております。
健康とは! 記憶力の減退 物忘れを恐れない
高齢になって誰しも一番嫌なことは記憶力の減退でしょう。認知症になることを恐れます。呆けずにぽっくりと逝けたらと願います。私は認知症を医学的に説明することは門外漢で出来ませんが、65歳で1~2%の発症が75才を越えると急激に増加して80~85歳では8%に上ると説明されています。
ただ発症原因の一つが脳梗塞型の血管性であることから平生から高血圧や糖尿病に注意すべきでしょう。煙草は血管毒ですし、癌にも関与します絶対にやめましょう。
物忘れを恐れ自覚している時に、文春10月号に外山滋比古氏が「あなたを救う『忘れる力』」という表題で、物忘れをどんどん頭が悪くんなっていくと思う人が少なくないが、勘違いでどんどん忘れたらよい。これが天の配剤だと記述されています。食べ過ぎてメタボになるが、知識の溜め過ぎは知的メタボになる。知的メタボにならない為には忘れて知識を排泄することだ。頭を倉庫にして詰め過ぎては駄目で、工場にしなければいけない。そのためには邪魔なものは取り去って必要な材料を素早く動かせるようにしなければならない。外山氏は英文学者で医者ではないがベストセラーの「思考の整理学」の著者です。
脳を倉庫や工場に例えての話とても理解しやすい。上欄にも書きましたが、自分の持っている知識ってほんの僅かなものです。それを詰め込んで整理も利用も出来ないより、工場の機械がスムーズに動かせるようしましょう。油を注したり点検しましょう。只型が古くて売れなくなったり、その前に注文が来なくなることを心配しなければなりません。いやいや心配せずにもう休みましょう。