上向きの1年であってほしい
院長 廣辻徳彦
明けましておめでとうございます。令和6年の始まりです。我が家でも西宮と加古川という近場からですが、息子二人が夫婦で帰ってきて、小さい孫2人も合わせて穏やかに元日の初詣を済ませました。弟夫婦は日勤で働く予定があって2日の早朝に帰って行きましたが、健康で新年を迎えられたのは何よりでした。ただ、そんな新年早々に能登半島を中心として北陸に大地震が起こってしまいました。建物が倒壊した映像や輪島市で起こった火災はあの阪神大震災と重なるものがありました。大津波警報が発令されている中で、NHKの女性アナウンサーが「今すぐ避難!高いところへ逃げること!」と、ニュースではあまり聞くことのない強い口調で呼びかけていたのが印象的でした。東日本大震災でも「まさか津波が来ないだろう」と思ってしまった人が多くいらっしゃったのだと思います。状況のわからないところで避難だと言われても対応できにくいところがあると思いますが、命より大事なものはありません。北陸の寒い時期、停電や断水がある中で避難所での生活することは簡単ではありません。国をあげて支援してもらいたいです。
さて、今年は辰年です。十干十二支で表すと「甲辰(きのえたつ)」。「甲」は十干の最初にあたり、成績でも甲乙丙の順で第一位を表し、真っ直ぐにそそり立つ大木という意味もあるそうです。辰は十二支の中で唯一創造上の動物で、龍(竜)を表します。龍は水や海の神として祀られることもあり、神秘的であり躍動的な印象があります。調べてみたところ、甲辰の年は「春の日ざしがあまねく成長を助ける年」とも書いてありました。継続するウクライナの戦争やパレスチナの紛争、経済の低迷や政治家の腐敗など、とかくマイナスなことが多かった昨年ですが、今年はいろいろなことが良い方に成長する年であって欲しいです。
と、ここまで書いていたところに、羽田空港の滑走路で着陸してきた旅客機が海上保安庁の飛行機と衝突したという衝撃の映像が流れてきました。飛行機に乗るときは、離陸時に必ず脱出時の注意がありますが、煙と炎に巻かれた旅客機から、乗客と乗務員が全員脱出できたことは奇跡に近いことで本当に良かったことでした。少しのミスで事故が起きたのでしょうし、ちょっとした何かの差で助かる命もあるのでしょう。お正月に大地震と大事故が重なる何とも言えないスタートになってしまった「甲辰」ですが、改めてこれから上向きになってほしいと願わずにはいられません。
健康とは!(万が一に備えて)
「一年の計は元旦にあり」との言葉は、元旦(1月1日の元日の朝)に1年の計画を立てるべきである、すなわち「物事は最初が肝心」であるという意味で使われています。「旦」の字が水平線から太陽が昇る形をしていることからも、お昼前に起きて考えるのではなく、日の出の頃の早朝にその日の最初に計画を立てるべきということです。毎年のことですが、「毎日腹筋をする」とか「スクワットをする」など健康的なことを一瞬考えては、お正月にはお酒を飲んでしまって初日から達成できない私です。週に一度の休肝日などの方がよほど達成しやすいようにも思いますが、それすらできていないとは情けない話ではあります。物事を計画的に行うことができればいいのですが、災害や事故は突発的に生じます。今回の大地震も、私と妻が2歳の孫を連れて近所のコンビニまで買い物に行っている間に起こりました。歩いている最中には全く揺れを感じることもなく、帰宅してから家にいた子供たちに地震のことを聞いて驚いたものでした。テレビから緊急地震速報が流れた後、神戸の家の中ではわずかに揺れを感じたらしいです。後で聞いた話では、お正月を大阪のホテルの15階で過ごしていた妻の母はかなりの揺れを感じ、ホテルのエレベーターが1-2時間動かなかったため部屋で過ごしていたそうです。
災害に対して、少しだけでも備えをしておくのは大切です。例えば何リットルかの飲料水や携帯食料、懐中電灯や乾電池などをリュックに詰めたセットも販売されています。地震は台風と違い全く予想ができませんし、家屋が倒壊したり車で避難できると限らなかったりで、準備が報われないこともあるでしょう。ですが、もしそれがあった場合には避難生活の最初の1日が少しでもマシになるかもしれません。改めて家の中で持ち出すべきものや非常時に必要なものを確認し、防災セットを購入しておくのも良いでしょう。滅多にないこととはいえ、飛行機での避難指示を真面目に聞いておくとか、ホテルに泊まるときは避難経路を確認しておくとか、身を守るために必要な情報には目を向けておかなければいけないなと改めて感じさせられました。
日々を健康に過ごすため、規則正しい生活を送ったりスポーツをしたり、ときには健診や人間ドックで自身の身体のチェックをしたりすることは大事です。それと同時に、万が一の時に備えておくことも自分の身を守るために必要なことなのでしょう。