北京4日間の旅で
理事長 廣辻逸郎
6月中旬北京を旅しました。丁度中国は端午祭で3日間休日どの観光地も沢山の人出でした。尤も人口13億余ですから休みでなくても人が多いのでしょう。フリーの4日間でしたので旅行社の効率のよい観光では無かったのですが、中国在の息子に計画を任せて一応有名観光地を廻りました。
万里の長城・天安門広場・故宮博物院・頤和園・天壇公園そして古い住宅街胡同(フートン)等夜は京劇や雑技団のアクロバットショーを楽しみました。長城で若い母娘にカメラを向けると笑顔でポーズしてくれました。娘さん達まだそんなにオシャレをしている感じはなかったですが明るく見えました。人口の1割でも日本人と同数です。これからの経済状況の上昇から見ても、中国の貨幣元の時代の到来を経済に疎い私ですら実感します。
現在万博開催中の上海と比較出来ないほど、北京の風格を感じました。車は錯綜し追い越し割り込みは普通で、タクシーの運転手は市内の地理に疎く、地方から出稼ぎに来て間がないと思われますが、街を走っていても上海と違う街に落着きがあります。孫文夫人宋慶齢さんの住まいに行きましたが、ガイドが孫文先生国母宋夫人ととても尊敬して案内してくれるのに驚きました。頤和園の工事には西太后が軍備費を流用して巨費を使いその為日清戦争に負けたと言われても、また胡国から山海関まで7千㎞もの長大な長城を作った中国の歴史を考えると広大な土地で幾多の戦乱を耐えてきた民族の重厚さ強みを考えさせられました。今世界のトップを目指しています。
重慶・上海そして昨年行った昆明でも公園では老人達が集まってトランプや将棋をし、太極拳のグループやダンスの人、歌に興じたりまた石畳に詩を記したり夫々に楽しんでいる姿を見受けます。それほど豊でなくても老後を楽しんで過ごしているように見えます。日本では老人は少子高齢化の名のもとに虐げられ活気がない。永年家族や会社の為に汗を流したのです。気楽に老後を楽しみましょう。
健康とは! 行列のできる店
雑誌の見出しやテレビで行列のできる店というのが出ています。実際に食べ物店の前でじっと順待ちをしている風景もまま見ます。私はどうしてもあの行列に並んで食べようとは思わない。ミシェランに掲載された店と言われてもあまり関心がない。並んででもこの店の美味しいものを食べるのだという熱心さ貪欲さを欠いているのでしょう。先日もテレビで、いい店の見分け方に換気扇がきれいに掃除しているか、電話の応対がどうかとか直接食べ物の味に関係した話は何も聞かれませんでした。
随分前になりますがパリの有名レストランに重々しく案内してくれたがこの程度なら私でも日本で口にしていてビックリすることはないなと思いました。先日行った本場の北京ダッグも美味しかったがここだけというほどのものでもありませんでした。特別上等の店ばかり食べ歩いていることのない私は、うんと美味しいものを知らないのかもしれませんが、日本人は普段から世界中の美味しいものを食べているのだと思います。私達世代は戦前に飢餓に近い空腹を経験しました。空腹だとなんでも美味しいです。現在のように各家庭に冷蔵庫はありませんから保存のきかない食品はその日のうちに処理します。それで却って新鮮な食品を食べられたかもしれません。母親は沢山の子ども達の空腹を無くそうと懸命に調理してくれました。おふくろの味です。
生活環境が変化し、母親とて仕事について料理に時間はとれません。スーパーにはふんだんにすぐ口にできる食品が並べられておふくろの味を出すことが無くなりました。核家庭 独居老人向けのパックも沢山並んでおります。我が家の老妻も日毎台所に立つのをこぼします。
キッチンから包丁が無くなりレンジだけがチン チン鳴ってる時代が来そうです。いや来ていますね。