プーチン大統領の暴挙
院長 廣辻徳彦
季節が春めく3月になりました。今シーズンは北の各地で記録的な大雪となった様子で、宝塚市内では雪のために問題となることはありませんでしたが、わずかな積雪があったなら交通網は麻痺し待っていたでしょう。だんだんと暖かくなるに伴い桜の話題も増えてくることかと思います。新しい年度が始まる頃には、新型コロナウイルス感染も落ち着いてきてほしいものだと思います。北京で行われた冬季オリンピックは各競技とも熱戦に明け暮れました。中国寄りのジャッジが多い、ドーピング疑惑、不可解なジャンプ団体のスーツ規定違反判定など、競技以外の話題にも事欠かなかったオリンピックでしたが、アスリートの汗と涙にはそのような雑音をはねのけるものがあったと思います。
さて、中国のウイグル地区への弾圧行為に異を唱える各国首脳が北京入りを控えた中、ロシアのプーチン大統領は自ら北京入りし、中国との関係をアピールするとともに反欧米勢力としてタッグをより強力にした印象でした。オリンピックの最中は鳴りを潜めていましたが、おそらくはウクライナに対する戦略を積み重ねていたのでしょう。数年前に掠め取って実効支配している南のクリミア半島、東のロシア、北の友好国ベラルーシから一気に武力行使を行い、ウクライナに軍事的侵攻をしかけました。ウクライナのNATOへの加盟を軍事的均衡への挑発と捉え、ウクライナがロシア人を弾圧していると吹聴してその解放を大義名分としてしかけた戦争です。ウクライナの占領を目的としないとは発表してはいるものの、軍事的に領土を掌握した後に傀儡政権を樹立する意図がありありです。空港や軍事的拠点の爆撃を一方的に開始して陸上からの侵攻を始めたロシア軍ですが、2月末時点ではウクライナ軍の抵抗がなんとか功をそうしているようです。
第2次世界大戦の時代には、戦争が始まる状況に関しては情報が不透明であった部分が多かったはずです。もちろん今でも全てが明らかになっているわけではありませんが、ウクライナが爆撃された瞬間を全世界が見ています(ロシア国内と中国では情報統制があるかもしれません)。国連の決議だけでは役に立たないかもしれませんが、全世界の支援が必要です。予想される悪い結末はこのままロシアがウクライナを属国化してしまうことですが、ロシアの国民がプーチンの異常さに気づき、民主化に動いていく奇跡のようなシナリオにならないかとかすかな期待をしています。
健康とは!(炎で心を癒す)
最近、というか少し前からキャンプが流行っているそうです。新型コロナウイルス感染の少し前からだったようにも思いますが、「一人キャンプ」でyoutubeの再生回数が増加したヒロシさんをはじめ、芸人さんのキャンプ番組を目にすることもあります。家族単位で密にならないのもコロナ時代のレジャーに合致しているのでしょう。郊外の大型スポーツ店でもキャンプ用品の取り扱いが増えているようですし、100均ショップにもキャンプ用品コーナーがあるくらいです。都会と違う開放感や自然に近い環境が気持ちをリフレッシュさせてくれる効果は大きいと思います。中にはマンションのベランダでの疑似キャンプというのもあるそうで、こういう形も非日常を感じて良いのだそうです。
キャンプで大事なものの一つが「焚き火」です。この時期であれば暖をとったり料理に使用したりと実用的にもなくてはならないものですが、それ以外に薪や木炭を燃やして立ち上る炎や音は心を癒してくれる効果があると言います。この癒し効果は、「1/fゆらぎ」という自然界に普遍的に存在する一定に見えて一定でない不規則な成分(規則的であって突発的でもある、予測性があるようで逸脱性のある)が与えてくれるそうです。立ち上る炎は同じように見えて同じではなく、薪や木炭が燃えて爆ぜる音も一定ではありません。木々の葉が風にそよいで揺れる様子、波が浜辺に打ち寄せる様子や波音もそうですが、そのようなゆらぎが人の心に安心感や居心地の良さを与え、リラックスさせてくれるのです。同じことが暖炉の火にも言えます。日本では暖炉がある家庭は少ないと思いますが、極寒の地で外に出ないで過ごす室内では、暖炉の火を見ることが気持ちを落ち着かせるのかもしれません。室内で焚き火はできませんが、この頃はバイオエタノールなど環境に害をなさない燃料を使って室内で火を焚く用具も販売されています。ホテルやレストランにある大型のものはとても高価ですが、卓上に設置できる小さくてお手頃のものもあり、昔からのロウソクやアロマキャンドルでも可愛い炎が出ます。電気の光がまるでロウソクの炎がゆらぐ様に作ってあるロウソク型器具でもデジタル画面にキャンプファイヤーの炎を写すだけでも効果があるそうです。コロナウイルス感染やロシアの暴挙、日常生活でも心が休まらず時間の余裕もなくなっていることが多いこの頃です。戦争の炎は真っ平ですが、わずかな時間でも部屋の明かりを暗くして小さな炎を見つめてみれば、少しは心が癒されるかと思います。