眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m76

投稿日 2012年6月1日

金環日蝕と東京スカイツリー

理事長 廣辻逸郎

5月は日蝕とスカイツリーのニュースで賑わった。天文学的とか言って、天文に関してはとてつもない遠方の話であるように思っているが、5千年もの大昔に既に暦を作り、天体の動きを記録していたようで賢い人がいたものと感心する。日本書紀にも推古天皇の628年4月10日に日蝕が有った記録されているようで、天岩戸の神話も日蝕が関係しているのでしょう。現在のように地球が汚染される事も無く、照明も無い時代の天空はどんなに素晴らしい星空が輝いていたことだろう。それを2.0以上の視力で細かく記録し、天体の動きを解明し、時には日蝕を政変に利用したのでしょう。計算されていると言え現実に金環に輝く太陽に何百万もの人に神秘的と感動を引き起こす大自然は凄い!
一方翌22日634米世界一の電波塔東京スカイツリーが開業した。生憎の雨で、折角初日の景観をと期待されていたのに気の毒であった。日蝕の自然現象と違ってタワーは科学の粋の集積で地震にも暴風にも万全の対策がされているようで、一度は登ってみたいものだ。完成真近かの昨年3.11東京で強度5の揺れになんら損傷なく耐え、最終塔の頂点のずれも2㎜で納まったと聞く。鉄塔のパイプも一本づつ手作りで、ゆるまないナットも200万個使われ、溶接も日本中から精鋭が選ばれて来たそうだ。政局や金融不安。不景気で今にも日本は破局しそうな報道ばかり聞かされてウンザリだが、このようなニュースは元気を与えてくれる。前述のゆるまぬナット・ねじの考案者の若林克彦氏はゆるまぬネジ作りに毎日悩んでいたところ住吉神社の大鳥居の楔(くさび)にヒントを得て試行錯誤の末に完成されたそうで、新幹線始め海外にも輸出されている。一時話題になった「世界一で無ければならないか?」のPCも世界一が完成して稼働していると聞く。世界に生きていくために一層若人の奮起を期待します。

健康とは! 動物の寿命について

今年になってNHK深夜番組で動物生理学専門の本川達雄東京工大教授が『ゾウもネズミもネコも、心臓は20億回打って止まる』ととても興味深い話をされていたので早速書店に走った。中公新書『ゾウの時間ネズミの時間 サイズの生物学』が出版されている。1992年8月の初版で2011年8月65版が出ているから随分とロングセラーでもうお読みになった方も沢山おられましょう。
教授はサイズからの発想で動物のデザインを発見し、サイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、行動圏も棲息密度もサイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量はサイズによらず同じである。そしてゾウもネズミも20億回の拍動で心臓は止まると読者を惹き付ける。各章で専門的にそれも理解しやすくサイズを基盤に大小動物を比較しながら呼吸・循環から行動更に生態を記述されている。
先月は田中修氏の植物の話。今月は本川氏の動物生物学の話を取り上げました。私達人間男女の違いはありますが解剖学的には同じ構造で、同じように呼吸し、心臓が拍動して生活しております。でもクローンでない限り同一人はありません。私達の心拍数は特に変わってきたとも思えませんが、20世紀初めに比べ21世紀の現在20~30歳寿命が延びています。先月高校生が温和になったと書きましたが、先日市内の幼稚園の検診に行きますとどの児も可愛くて顔形では男女の区別がつかない位、それに名前も宙や海などが入ってハイカラで性別不明もあります。身長が10㎝以上伸びても座高は同じ。即ち足が長くなったと言うことです。力仕事もせず、硬いものを食べなくて、歩かなくて、戦争も無い平和な世の中で生まれ育つ何世代も続くとまだまだ人間と言う生物はどう変わっていくのでしょうか。