眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m22

投稿日 2007年12月1日

創造すること

理事長 廣辻逸郎

私は建築現場を見るのが大好きです。2年前に南側に宝塚病院が新築された時は連日興味津々でした。大きなショベルカーが地下を掘り、ながーい鉄板を打ち込んで基礎を固め鉄筋を組んでコンクリートを流す。高層建築に欠かせないクレーン塔がどうして組み立てられるのか不思議で仕方なかったのがじっくりと見ることが出来ました。塔の中で操作するのかと思っていたらリモコンでスイスイと大きな建材を運搬します。真夏の暑い中を茶髪で裾の広い作業ズボン、長袖シャツの若者が懸命に仕事に熱中していました。大きな機材を細心の注意で組み立て1階2階と完成していきました。
重症患者に立向う白衣の看護師さんは天使に見えます。寿司を握る職人さんも農家のおじいさんもみんな仕事に熱中している時の顔は活き活きと美しい。職業でなくても、主婦が料理に集中している時は歳を忘れさせます。夜店の飴細工の出来上がりの素敵なことよ。形は無くても、絵画・俳句・和歌等の文学でも創造の喜びは格別です。先日放映されていた技能オリンピック出場の若者の顔は輝いて見えました。日曜朝の「ルソンの壷」も創意工夫が語られていて楽しい番組です。
創る喜び、自分で創らなくても出来上がりを見るだけでも幸せになれます。人間の皮膚から幹細胞が培養に成功し、再生医療が大きく前進したニュースも嬉しい。
戦争によって文明が進歩すると言われますが、進歩するのは破壊兵器ばかりで絶対に進歩ではありません。今年も連日人殺しや自殺など暗いニュースが続きましたが、年以上続く戦争の無い平和な日本がこのようなマイナス事項でなく、プラス思考の生き方考え方で、もっともっと明るくて楽しくて、心優しい生活が送れますよう願ってやみません。

健康とは! 健康はお金で買うもの?

阪急西宮北口にスポーツジムがあります。芸術センターに向う通路に面して、硝子越しに大勢の会員がベルトの上を一所懸命に走っています。トレッドミルという器械のようですが、私はハツカネズミが籠にいれられて水車をくるくる回している状況が思い出されて仕方ありません。だがみんな真面目な顔で懸命です。得意気な顔と言うのは年寄りのひがみでしょう。5階建ての内部にはプールを始め色んな運動機具設備が多種類整備されているようです。
月謝1万円前後で構内の諸施設が自由に使え、サウナや浴室も完備されて、会社や学校帰りに一汗流しさっぱりして帰宅できる。体力つくりも一人ではやりにくいが仲間がいたら入っていきやすのでしょうか。
ジムに入会し、時間を作って体を動かし汗を流す。暴飲暴食を避けて健康に気を使っているということが、毎日の生活に生かされるということでしょう。車で帰宅してトレパンの洗濯は奥さんに。ビールを飲んで、食後はソファーにゆったりとテレビを楽しまれることでしょう。ペットと子どもを傍らに。
今日の新聞にもヒヤルロン酸や野菜8種類のエキス入り錠剤等々サプリメントの広告が数多く掲載されていました。全国版各紙に出せば相当な広告費用でも充分ペイできるのでしょう。それだけ購入者がいて利益もあるのでしょう。1ヶ月1万円以上買っておられる方が随分とおられることと思います。健康のためにはお金をいといません。
車を止めて歩いたら。エレベーターを使わずに階段を歩きましょう。サプリメントに頼らずにその分野菜や魚肉を買って自分で料理しましょう。その方が安全でしかも安価に済みましょうに。というのは現代には通じないことで、自分が納得してお金を支払い健康が買えればベターという世の中。これが「エエカッコウ」というのでしょうか。
健康てお金を出さないと得られないものでしょうか。現代の断面を切りました。

目とスポーツ外傷

スポーツと怪我は切り離せません。眼に関しては重症の場合失明と言う最悪の事態を残しますから深刻です。更に自責のこともありますが、被害者と加害者の立場になって肉体的経済的だけでなく精神的にも両者とも大変な苦痛を受けることがあります。
小さな事故大きな事故何れにせよ早期受診をお勧めします。私達医師も慎重に診察しております。
【学校内事故】
白線引き
運動場のライン白線は以前は消石灰を使っていました。ライン引き中に風に舞って石灰が入って角膜に障害を起こすことがありましたが、宝塚市内では早くから消石灰の使用を止めてもらってこの事故はありません。先日テレビでこの事故が放映されていましたからまだ使用されている地域があるようです。
球技によるもの。
ボールの種類、打撲の距離、当り方によって軽重が違ってきます。
野球のチップ球は球が変形していますから眼球に直接当って眼球内出血や眼底損傷が高率です。
テニスボールも径が小さいので打撲の状態によりますが眼底出血で長期間の治療を要した何例も経験します。ソフトボールは高学年になると球威も強くなって要注意です。バレーボールは眼の周りの骨で力を分散してくれますので大きな後遺症の記憶ありませんが、サッカーは比較的近距離からしかも強い力で蹴りますから危険です。眼球内出血だけでなく網膜剥離、網脈絡膜裂傷を起こし視力障害を残すこともあります。
バドミントンの羽根(シャトル)も硬くて小さく、まともに眼球に当ると出血を起こします。狙っても目には当らないのに事故というのはそう云うものです。
ゴルフ
宝塚にはゴルフ場も多く、ゴルフ球による外傷も何例か経験しております。ゴルフボールは硬く、重さは約46gですが打球の速度が最初は300距離/時と早いので当った時の衝撃がとても大きいので危険です。眼球だけでなく,前頭骨や眼窩底骨折も起こす危険があります。吹き抜け骨折と言って、複像(物がだぶって見える)を起こすこともあります。手術が必要です。ボールを打った人の前や横で当った例は重症です。同伴プレイヤーによるのが45%他のプレイヤーによるのが55%で、遠距離被球も多いようです。ゴルフ外傷は中高年社会的地位も高くしかも重症が多いので深刻です。
開業当初ゴルフ球の中がどうなっているか球を剥がしていて中心から液が飛び出してきて角膜を損傷した子どもを診ました。今は構造が変わっているかかもしれませんが高圧で液を封入していたと聞きました。
ボクシング選手の網膜剥離は周知のことです。水泳飛込み選手も顔面強打で網膜剥離の危険があります。僅かな顔面の角度が成績に影響するのかと感心した思いがあります。余程上手に飛び込まないと顔面も体も痛いことでしょう。
中学生のラグビー選手が相手選手と激突して頭部を強打し意識混濁で救急車で運ばれましたが、落着くと一眼が見えないと依頼され診ると、瞳孔散大視神経が真ッ白。側頭部を強打して視神経が切断したのです。相当な衝撃があったのでしょう。忘れられない症例です。
スポーツとは関係ありませんが、可愛い奥さんが一眼の視力障害で来院されて、診察すると黄斑中心に小さな孔がありました。視力0.1です。よく聞くと主人に昨夜殴られたとのこと。他には何も所見が無くて黄斑裂孔だけ。どうしようもありません。夫婦喧嘩は口だけに止めましょう。
スポーツと外傷は切り離せません。注意していても思いもよらない事故を起こすことがあります。
指導者の注意をよく聞いて、無事故でスポーツを楽しんで下さい。