眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m125

投稿日 2016年6月30日

生物はみんな必死で生きている

理事長 廣辻逸郎

6月初め庭の通路のみかんの木に大きな青虫が2匹バリバリと音を立てるような勢いで葉っぱを食べていました。小さな枝はきれいに葉がなくなっていました。翌日青虫は少し大きくなったように見え案外と可愛い顔をしています。どうせみかんがなるわけでもなし、この青虫が大きな黒揚羽になって飛ぶのならと、少し前なら毛虫を見たらすぐに踏んづけて殺してしまったのに歳を取って多少は穏やかになったのでしよう。今日も昼休みに2階の窓から植木の上を数匹の赤とんぼが大きな輪をつくって飛び交っていました。ここ宝塚でも引越してきた50年前に比べて雀も少なく、蝶や虫まで目に触れることが少なくなりました。一昨日妻が庭に出ていてほっと前を見ると小さな蛙が窓の桟の上に乗って私を見つめていたと嬉しそうに話していました。田んぼからはずっと離れているのにどこからやって来たのか。蛇やムカデは怖いし、アブラムシは困るけど、でも小動物が安住できるところに住めるのは嬉しい事です。
動物だけでなく植物も夫々生きるために色んな知恵を持って生きています。『雑草という草はない』と私はよく言いますが、路傍の小石の間からも小さな草が顔を出し花をつけています。小さな花でも花弁があり蕊もみえます。そして実がなり、繁殖します。果実となってその中に種を作って遠方に運ばれ増やすのもあれば動物の体や衣服について運ばれるもの、風に乗って遠くにまで運ばれるもの等々いろんな手立てで繁殖を計っています。
感染源を持つ小動物まで可愛いというわけにいきませんが大きな動物も人間と共存出来なくて直接間接に悪影響を起こし問題になっています。熊や鹿・猪です。動物と人間が共存出来ておればいいのでしょうが、動物達も自分達の生存地域をはみ出して人里に入り込むそれなりの理由があるのでしょう。人間が知恵を出すことで、殺したらいいのでなく人間の領域に入ってこないようにしてやれないものでしょうか。丹精込めてやっと実った果実や農産物を食べられたり畑を荒らされては農家もたまったものではありません。入ってはいけない領域と教えてやる手段を取って欲しい。
様々な地球環境の中で多くの生物が必死に生きようとしています。天変地異人工的には戦争で生物のバランスが取られているのかもしれませんが、矢張り平穏裡にバランスが取れて共存出来ることを願います。

健康とは! 人類進化論研究室 山極寿一京大総長の話を聞いて。

NHKラジオ深夜便放送で類人猿の研究で現在京大総長をされている山極教授の対談をききました。話を聞いてとても興味深かったので概略をお伝えします。
皆さんもご存知のように山極氏は類人猿ゴリラの研究で有名です。1978年からアフリカ赤道直下コンゴへゴリラを求めて行かれました。ゴリラの生活圏に入るまで随分苦労されています。ゴリラの集団に1.5mほどまで近づいたそうですが彼らがこちらに警戒心を取るまで長いのは10年程かかったそうです。朝顔を合わしたら挨拶をされるそうです。(その声を出しておられました)
見知らぬ仲間にも食べ物を分配するのは人間だけで、類人猿も自分の子どもには食べ物を分配するが他には分配しない。猿は絶対に分配しないと話されました。と言うのは味覚を共有するのは人間のみです。
一諸に食べ物を食べるのを食事と言う。味覚は人間関係で作られる。現在でも訪問する時土産に饅頭を持って行くのも人間関係の初歩です。「社会性と食」味覚を同時にする。味覚を他人にあわせる。これが人間の原点と何度も話されていました。難民キャンプで食品が配られるとそれを集めて皆で鍋にして食べる。それで集団生活をたもっているとも話されました。
食品が栄養をとるためだけだったら注射し、サプリメントを飲めばいい。時間を費やして料理し、共に味を確かめて分かちあう。舌の記憶。味を共にする人間の原点を類人猿研究から結論付けされました。氏は研究室におられたころ、春には大学傍の山へ全員で山菜を取って来て料理され、秋には山に入ってキノコを採集し、毒キノコなど除外して教室員と縁を開いて輪を深められたそうです。
代々伝わるその家の味付け、おふくろの味、たまには名シェフの味もいいでしょう。味覚を共有して家庭を社会の団欒の輪を広げましょう。今月は生物と人間との話に終始しました。