眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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眼の病気 No.e48

投稿日 2011年12月1日

緑内障−最近の検査など その2

院長 廣辻徳彦

これまで緑内障ついて、(1)視神経の病気であり、眼底検査で異常が見つかることが多いこと、(2)多くは急速な進行ではなく長い経過をとること、(3)視野検査による経過観察が大切なこと、(4)眼圧の高さで診断はつかないが、眼圧を下げることが治療になる、ことなどを書いてきました。今回は、緑内障について行われている最近の検査についてご紹介します。
緑内障の経過観察では、視野検査が重要です。現在、世界で標準的な視野検査器械は、ハンフリーフィールドアナライザーという機種です。他にもよい器械はありますが、世界的に一番多く使われているという意味で、日本でもこの機会が最も多くの病院で使われています。当院でもこの機種で視野検査を行っています。
視野検査の結果を判定するのには、いろいろな指標があります。その中で、MD値(視野検査全体の結果を、年齢補正をした上で、正常からどのぐらい感度が低下しているかを表す値:単位はデシベル)というものが重要視されています。MD値は正常であれば0デシベル、視野が全くなくなると-30デシベルという値になります(-6デシベルまでが初期の視野変化です)。これまでは、この値をもとに進行度を考えていました。
しかし最近では、視野検査の結果のうちで、特に中心部分に重要性を持たせ、視野の異常度を表すことのできるVFI(単位は%)という指標が考えだされました。MD値が同じでも、中心部が保たれていればVFIが良い値になり、中心に異常があれば悪い値になります。より実質的な障害の程度を数字で表せる値であると言えます。このVFIの値を経時的に評価し、MD値を使っていた場合よりも確実に数年後の進行予測がたてられるようになりました。もちろん視野検査時に眼がよく動いたり、反応が悪かったりして検査の信頼性が低くなると、器械の判定にも影響が出ます。検査の信頼性を勘案し、最終的に判断するのが私たち医師の仕事です。

最近の検査

図1:ハンフリー視野計の結果
◯:VFI(この図では78%)
□:MD値(この図では‐9.02デシベル)

最近の検査

図2:VFIでの進行予想(図1と別の患者さん)数回の検査を線で結び、進行を予測。
この図の場合は現在と比べ3年後の進行がほぼ少ないであろうと予測している。
もう一つ、最近の緑内障検査でとても重要視されてきているのがOCT(光干渉断層計)です。この器械は黄斑変性症などの検査でも非常に有用で、眼のCTとも言える器械です。
私たちは網膜に存在する細胞で光を感じています。光の刺激はいくつかの細胞を経て、最終的に網膜内の神経節細胞という細胞から視神経を通って脳に伝わります。それぞれの神経節細胞から一本ずつの神経線維(ニューロンといいます)がでて、それが束になって視神経を形作ります(神経線維の数は片眼で百万本以上です)。緑内障では、進行に伴って神経節細胞や神経線維の数が減ることが分かっています。
OCTでは、緑内障のいろいろなパターンを検査できます。その中で現在有用とされているのは、(1)視神経乳頭周囲の神経線維の厚さを測定する、(2)黄斑部周囲の神経節細胞を含む層の厚さを測定する、(3)視神経乳頭の形状を測定し、乳頭陥凹などを測定する、という機能です。紙面がつきましたので、また次回に続きます。