眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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眼の病気 No.e10

投稿日 2008年10月1日

目がショボショボするとき その2

院長 廣辻徳彦

前回に引き続き、「目がショボつく」症状の原因になる病気の話です。とてもよくある病気ですが、一般にはあまりご存じではないかもしれないものについて書いてみます。
結膜弛緩症
結膜というのは白目の表面を覆っている半透明の膜です。結膜には適度なゆるみがあって眼の動きにあわせて伸び縮みするのですが、このゆるみが大きくなってしわを作ってしまう状態を結膜弛緩症といいます。涙に染色液を入れて、青いライトを当てるとよく観察できます(図1、2)。眼の動きやまばたきで、結膜のしわが過剰に動くため異物感(痛みというより、「ごろごろ」や「しょぼしょぼ」など不快感に近い症状)を生じます。また、ゆるんだ結膜がしわのようになるために、そのしわの間に涙がたまって外にこぼれ落ち、「涙目(涙がよく出る、こぼれるなどの症状)」になることもあります。結膜の毛細血管が引っ張られて切れてしまい、「結膜下出血」という目が赤くなる病気の原因になるとも言われています(図3)。また近年では、ドライアイと関連が深いこともわかってきています。下まぶたのしわに涙がたまってしまうことで、角膜(黒目の表面)に涙が行き渡らなくなりドライアイの症状が出てしまうのです。また、本当に涙の分泌量が少ないドライアイがあると、さらに症状は悪化します。

結膜弛緩症

図1:結膜のしわ(矢印(↑)で囲まれたところ)
図2:結膜のしわ(矢印(↑)で囲まれたところ)
図3:結膜下出血
結膜弛緩症では視力が悪くなるわけではないので、疲れ目(眼精疲労)や「年のせい」と言われてしまっていることもあります。しわがこすれる状態は消炎剤などで軽快するので、点眼薬だけで気にならない程度に治まることもあります。しかし、物理的に余っている結膜自体を治しているわけではないので、それだけでは完治するというわけではありません。
それでは、根本的な治療はどのようなものでしょう。結局のところは「たるんでいる結膜を切除する」か「しわを伸ばして縫い付ける」という手術になります(図4、5)。手術が怖い方もいらっしゃるでしょうが、目の表面をさわるだけで眼球自体を切るのではありません。局所麻酔で20~30分程度です。手術の後の異物感も1週間程度でよくなります。ドライアイなどほかの病気がなければ、7割以上の方で自覚症状が良くなったという報告もあります。無理に手術をしなければならないものでもありませんが、眼の不快感に悩んでいるのであれば、考えてみる価値があるかと思います。

結膜弛緩症

図4:手術前(結膜のしわが下まぶたにかぶさっている)
図5:手術後( 結膜のしわがきれいになくなっている)