眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m197

投稿日 2022年7月1日

最速の梅雨明け

院長 廣辻徳彦

梅雨が明けてしまいました。近畿地方では6月14日に梅雨入りが発表されていたので、28日に梅雨明けしたということになると、今年の梅雨はわずか2週間だったことになります。平年の梅雨は6月6日ごろから7月19日ごろまで、昨年は6月12日ごろから7月17日ごろまででしたから、比較的遅くに始まり非常に早く終わるという特別な梅雨だったことになります。気象庁のHPを見る限り、近畿地方で最も梅雨明けが早かったのは1978年の7月3日頃でしたので、最も早い梅雨明けです(最も遅い梅雨入りは2019年の6月27日ごろ)。大雨被害がなかったのはうれしいですが、夏の渇水が気になるところです。近年の治水事業に加え、近畿地方には琵琶湖という水瓶があるので取水制限などの制約がかかりにくいことは幸いです。しかし、6月の時点で真夏を思わせるような気温になっています。ロシアの暴挙のせいで世界中の資源、食料バランスが崩れている今、節電も含めて7月、8月の過ごし方には注意が必要になります。
梅雨については昨年も書いたのですが、そこには「連休が明けてすぐの5月16日に近畿地方に梅雨入り宣言が出て、観測記録が残っている中では史上最も早い梅雨入りである」と書いていました。ところが、上にも書いた通り、現在気象庁のHPでは昨年の梅雨は6月12日ごろから始まったと記載されています。実に1ヶ月の差があり、昨年の梅雨入りは史上最も早かったわけではない(むしろ平年よりも遅かった)ことがわかります。調べてみると、5月や6月ごろに気象庁が梅雨入りを発表するのは「速報値」で、9月初め頃に夏の天候などを考慮して「確定値」というものを発表するのだそうです。昨年は速報値で九州から近畿・東海地方にかけては5月11日から16日ごろに梅雨入りが発表され、マンスリーでも紹介した通り近畿、四国では統計史上最も早い、他の地域でも2番目に早いと言われたました。しかし、確定値では近畿が6月12日ごろ、東海が6月13日ごろと約1ヶ月も遅く修正されました。反面、九州北部、中国四国は3、4日早く修正されたので、これらの地域では昨年が最も早い梅雨入りとなったようです。9月にわざわざ確定値を発表していることも知りませんでしたが、こういう資料は毎年の積み重ねが将来の気象研究にも役立つものと思います。7月10日には参議院議員選挙も行われますが、しっかりと生活や日本のことを考え、こういう仕事を「無駄」と切り捨てないような議員さんが選ばれてほしいものです。

健康とは!(暑さに気をつけよう)

暑い時期になると毎回この話題を書いているような気もしますが、今年はすでに6月の時点で「観測史上最も暑い」などと形容される日が続いています。最近では珍しくなくなりましたが、兵庫県でも神戸や阪神地区よりも豊岡の方が3-4度気温の高い日が続いています。豊岡は全国ニュースでも群馬や埼玉と並んで名前を見ることが多くなっています。某独裁国が起こした戦争のせいでエネルギー供給が世界的に不安定となって電力不足が言われていて、暑さでエアコンも必要な中、節電も呼びかけられています。特に関東では電力使用がピーク時で供給の97-98%というギリギリの状況のようです。近畿ではまだ90%程度だそうですが油断はできません。
熱中症は気温が高く多湿な環境下で、身体がそれに順応できなくなっておこる身体症状です。めまいや身体のほてり、筋肉痛や筋肉のけいれん、だるさや吐き気、異常な量の汗をかくとか汗が出なくなる発汗異常、体温の上昇や皮膚の乾燥などの症状が生じ、最終的には意識消失も起こります。暑い時には汗をかいて体温の調節をするのですが、体内の水分不足で汗がかけなくなったり、気温が高いところにい続けたりして体温調節ができなくなることで、体内の機能調節も不調をきたしてしまいます。乳幼児や高齢者など予備機能の少ない年齢、睡眠不足や疲労で体調が悪い場合、季節の変わり目に急に暑くなって身体が暑さに慣れていない場合などにも起こりやすいとされています。暑さが増してくる5-6月にかけて、体育の授業や運動会で熱中症が起こるのもこれに当たると思われます。
すでにご存知とは思いますが、対策にはとにかくまめに水分を取るのが大事です。水分だけでなく汗で失われる塩分も必要です。トイレに行くのが心配で水分を取らないと聞くこともありますが、死ぬよりはマシです。東京都の6−9月の統計で、熱中症による死亡者200人のうち187人が室内で亡くなっていて、そのうち9割の人はエアコンがない部屋か、あっても使っていなかった場合でした。物価や電気代も高くなっている昨今、節約は大事ですが、暑い夜にはエアコン付けっ放しが勧められています。日頃から何かの運動で汗をかいておくことや、お風呂にゆっくり浸かるのも発汗を促す良い方法です。睡眠不足にならないように気をつけたり、体調が悪く感じる時には無理を避けたりすることも必要です。これから始まる暑い夏、どうか健康には気をつけてください。