眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m178

投稿日 2020年12月18日

コロナに始まりコロナに終わる (まだ終わらない) 

院長 廣辻徳彦

今年も師走となりました。例年のようにこの1年をレビューしようかと思うのですが、今年は新型コロナウイルスの話題だけで紙面が埋まってしまいそうです。1月に豪華客船に感染者が発生して話題になり始め、4月に出された緊急事態宣言で学校の臨時休校や企業のテレワークが始まり、経済にも大ダメージがありました。宣言の解除後に起こった夏の第2波を超える第3波が現在押し寄せています。今のところ、政府はgo to トラベルの全面中止もできず、対策に二の足を踏んでいる様子です。志村けんさんや岡江久美子さん、他にも11月までで日本だけでも2千人以上、全世界では145万人以上が死亡しています。不特定多数の人との接触を避ける、手洗いを徹底する、マスクを着用する、これからもまだまだ気を抜けない時間が続きます。時短営業の飲食店には大変厳しい状況で、こういう時のために税金を使ってもらいたいものです。
芸能界では大麻や自動車事故(ひき逃げ)で逮捕された人がいました。芸能人でなくてもしてはいけないことなのですが、人気商売で生活している人たちなので、なぜもう少し考えて行動できないのか不思議で仕方がありません。まだ若いのに自らの命を終わらせてしまった人もいます。何がそうさせたのかは第三者に推し測るすべもありませんが、本当に残念な気持ちになりました。コロナウイルスの感染対策で経済的な苦境に立たされて、そういう道を選んでしまう人が出ないようにして欲しいと願います。
本来ならば、今年は東京オリンピックの話題が1年の締めくくりに語られるはずでした。日本中が盛り上がった昨年のラグビーW杯を上回る大会になると期待していたのですが、世界がこの状況では延期もやむなしです。というよりも、ワクチンの開発が順調に進み世界中で広くワクチンが接種され、少なくともコロナウイルスがインフルエンザ並みにならないことには、来年になっても開催できないのではないかと思います。種目別の世界大会なら会場も限定されるので開催可能(実際テニスやゴルフは行われています)でしょうが、国内の感染さえコントロールできない状況でオリンピックを開催するのは夢物語と思えてしまいます。ですが、スポーツを観戦すると他の人と心を合わせることもできますし、何より自分の中に力も湧いてきます。もう少し時間はかかるでしょうが必ずコロナウイルスは克服できると思います。遠くない将来、スタジアムやテレビの前で力一杯競技する選手たちを応援したいものです。

健康とは!

この欄も今年はコロナウイルス関連の話題ばかりでした。身体が健やかであることと同時に、心も環境も保たれることが健康につながります。コロナウイルスに限らず全ての病気は、その人が望まずに罹患してしまうものです。しかし、コロナウイルス感染ではその人に対する非難や家族への中傷など、病気で弱っている人の心まで踏みにじるような行為を耳にするのが残念です。コロナウイルス感染の中核病院に勤務する医療従事者が、子供を保育所に連れてくるなと言われたとも聞きます。病気を恐れる気持ちは理解できますが、不当に世間から攻撃を受けて何も感じない人は少ないと思います。実際に、身体が回復したした後も心理的に立ち直れない人が大勢いるといいます。様々な自粛で生活への影響も多いこの頃ですが、お互いに心も健康に保ってこの局面に立ち向かいたいものです。
病気になると、生活にも大きな影響が出ます。誰もが仕事への影響を真っ先に考えるでしょうし、特に自営業で自分が中心の場合は大きな問題となります。私自身も健康であるつもりが先月の記事に書いたように心臓の冠動脈に石灰化があり、薬を追加して飲む羽目になっています。「自分が病気になる=クリニックを休診する」ということになるので、人ごとではありません。家族に病気やケガがあっても、その具合によっては自分の仕事への影響があります。中には回復の目処がつかず、簡単にはいかない場合もあります。介護やケアに関しては身体的や時間的な負担もさることながら、経済的な問題が大きくのしかかります。介護やケアがより重度で長期になればそれに費やす自身の時間と経済的負担が大きくなり、逆に自身の仕事の時間(=金銭を得られる機会)が少なくなってしまうのです。お金の話をしたいわけではありませんが、「どれだけ介護やケアが大変でも仕事を辞めてしまってはいけない」とは聞きますし、本当のことだと思います。最近は、親に何らかの障害があり、本来大人がするべきケアなどをせざるを得ない子供の問題(「ヤングケアラー」と言います)にも注目が集まっています。当然ですが、経済的に困っている家庭が多いのです。何かの時のために経済的なことも考えておくとは、口で言うほど簡単なことではありませんし、保険に入っておける余裕があるとも限りません。それでも、できうる範囲で病気になったらどうしようとは考えて、心構えをしておくべきなのでしょう。