秋の収穫
院長 廣辻徳彦
先月のマンスリーで「朝晩の涼しさもそろそろ季節らしくなってきました」と書いたのですが、実際の9月は夏日、真夏日が記録的に続いた月となり、結局長い間冷房のお世話になってしまいました。10月もはじめのうちは気温の高い日がまだ続くそうです。しかも9月には毎週末に狙いを定めたように台風が襲来し、発生した台風の数は7個(例年9月の平均発生数は5個)で、日本周囲に台風のない日はたったの3日間だけだったということです。特に台風14号は九州から中国地方にかけて、15号は静岡県を中心に大きな被害を出しました。最近の予報は正確になり台風に直撃されると分かっていても、なかなか対処しきれないことを痛感させられます。被害に遭われた地方の皆様にはお見舞いを申し上げます。
さて、10月は収穫の秋、実りのシーズンです。毎年書いていますが、スーパーの果物売り場には立派な果物が並べられています。果物といえば街中や山あい、田畑のそばに自生(誰かが植えているのかもしれませんが)しているものもあります。初夏のビワ、秋の柿がそれの代表でしょう。福知山線や播但線に乗って田畑が広がる風景の中にも、実をたくさんつけた柿の木を見つけることができます。これからの季節、だんだんと実が色づいていくことでしょう。実は私の家の庭にも小さな柿の木があります。元々はコーナンで鉢植えの苗木を買ってきてそのまま育てていたのですが、あまり育たず、数年前に狭い庭の隅に地植えしてみたものです。なかなか大きくならなかったのですが、昨年少しだけ枝を伸ばし、今年ついに1つだけ実をつけました。今から赤くなってくれれば、わずかな秋の味覚を味わえそうです。収穫といえば、同じ庭にやはりコーナンで購入したオリーブとカリンの木も地植えしています(狭い庭なので密集状態です)。オリーブとカリンは土との相性が良かったのかすくすく育ち、年によって違いますが実をつけてくれます。カリンは収穫が多い年にジャムなどを作ってきましたが、オリーブは緑の実が黒く熟して落ちるのを掃除するだけでした。そこで、今年は折角成ってくれたオリーブの実を使って、瓶詰めで売っているような塩漬けを作ってみました。アク抜きに劇薬の苛性ソーダを使うので今まで手を出さずだったのですが、クックパッドを見ながら作ってみると意外に簡単、塩分の強すぎない美味しい塩漬けができました。新しく発見した身近な味覚をお酒のあてにいただきながら、秋の夜長を過ごそうと思っています。
健康とは!(非常時に備える)
9月の台風では、山崩れや河川の氾濫による水害で大きな被害が出ました。静岡では上水道の取水口に大量の流木が押し寄せ、取水口が塞がれたために断水が起きたようです。水は生命維持のために最も必要ですし、生活のためにも欠かせません。災害の復旧のため土砂や家財の洗浄も、水がなければ立ちいかなくなります。私も阪神大震災の際、断水を経験して本当に困ったのを覚えています。
いろいろなサイトを見れば災害に備えるために必要な物品のことを書いています。持ち出し用にリュックに詰めて販売している商品もあります。自宅で過ごす場合と避難所に行かざるを得ない場合などでも異なるのでしょうが、自分のためと思って備えなければいけません。首相官邸のHPに災害に対する家庭での備えというページがあったので、「首相官邸が信用できるのか」という意見はさておき、それも参考に非常時の生活、健康維持を考えます。
最低3日間の水と食料は人数分必要です。水は1人1日3L、これは飲むだけでなく食事や生活の分も入っている量だと思います。食料はアルファ米や板チョコ、ビスケットや乾パンなど、トイレットーペーパー、ティッシュペーパー、マッチ、ろうそく、カセットコンロなどを備蓄しておいて、消費期限を考えながら食べて、使って買い足すというサイクルで保管すると良いそうです。情報取得のためにスマートフォンと充電器は必須です。停電に備えて手回しで蓄電できてラジオやライトの機能もついた多機能ダイナモラジオを備えておくのがいいと思います。持ち出すものの中には、救急用品や軍手、ウエットティッシュやハサミ、多機能ナイフなども必要でしょう。持病のある方は薬を数日分、子供がいる場合はオムツなどの用意、女性では生理用品も大切です。水を運ぶ場合には、バケツでは結構こぼれてしまうのでポリタンクがベターです。水が使えない場合もあるので、非常用のトイレもあればいいと思います。最近はキャンプがブームになっています。キャンプ用品の中には携帯しやすく高機能な寝袋や床用シート、防寒や生活グッズ、食料品がたくさんあり非常時にも役立つと思います。
大切と思うものは皆同じなので、何かが起こると手に入らなくなってしまいます。買い占める必要はなく、少しの準備でいいのです。もしもの時に少しでも自分たちの身体、命と健康を守るため、余裕のあるいうちに備えをしておくようにしましょう。