新年を迎えました
理事長 廣辻逸郎
広辻眼科のマンスリーは平成十八年三月に始めましたので一月号は今年で十二回目になります。新年になって歳は変わりませんが気分が変わります。去年のことはみな帳消しにして新規まき直しです。辛い事嫌なことみんな忘れて一から出発です。
今年の三ケ日はお天気も良く温かく大きな事故もなく終わりました。元旦の日の出を拝んだ方は今年の幸運を約束された嬉しい気分に満たされたことでしょう。初詣で神仏の加護を願い自分自身も努力を誓うことを私は続けております。
歳末恒例のNHK紅白歌合戦も随分と変りました。演歌は少なくなって若いグループが歌だけでなく派手な踊りが加わり舞台全体も豪華絢爛十分楽しめました。平成も三十年になって『昭和は遠くなりにけり』時代の変遷若者の台頭を一入感じます。
今年二日の新年参賀は十二万人を超えたと報道されています。 現天皇が来年9月には退位され皇居長和殿に立たれるのもあと一年です。「多くの人にとって心豊かな年であり、わが国と世界の人々の幸せを祈ります」と述べられました。今も世界どこかで銃声の聞かれない日がありません。宗教の違いが戦の元になるのは理解に苦しみます。民族の違いでなぜ殺し合わねばならないのでしょう。 幸にも戦知らずに日本は七十年以上平和に過ごしています。百貨店の福袋を購入するのに早朝から長蛇の列を作り、高価な福袋が数分で売り切れたと報道されています。気に入らない商品は客同士が交換していたのが今年はネットで販売出来るので交換する手間もなくなったとか。ネット売り、『インスタ映え』とか、時代の流れに私はとてもついていけません。
AI(人工知能)はまだまだ進歩しましょう。日常の生活状態もどんどん変わって行きます。昨年は出産が百万を切りました。逆に死亡者は百二十万を越しています。日本人の人口減少は目に見えていますがAIの進歩で人手を借らない仕事の形が変わりましょう。農耕・土木等労力を必要とした労働は随分機械化しています。駅の出札改札に駅員がいなく、銀行もATMやネット使用で店舗を減らし、人員も整理されます。でも心配はいりません。次々と新しい仕事が作り出されます。数年以内にキャッシュレスの時代が到来し、財布もいらなくなってスマホ一本になるのでしょう。
健康とは! 医学の進歩はすざましい
正月のHHK番組『人体』で山中伸弥教授とタモリ氏司会で『驚異のミクロ映像』を基に医学の進歩を解説されていました。昨年放送され今回は再放送ですでにご覧になった方もおられましょう。改めて医学の進歩を教えられました。私が医学生として講義を聞いた60数年前はまだ電子顕微鏡が作られたばかりで、日本全国でも数台しか設置されていませんでした。それまでの光学顕微鏡との違いに感嘆しました。それが格子光顕微鏡の出現で研究が進み、新しい所見が分かって病気の解明がされている状況に今更乍ら感心しました。
今迄身体の指令はすべて脳から発せられていたと教えられていましたが、今では全身の臓器細胞が仲間になって情報を発信しあっていること、殊に血管の情報回路が解明されて、一滴の血液で全身の癌検診が可能になったと話されていました。1時間番組のすべてを間違いなくお伝え出来ませんが、全国の基礎・臨床部門で研究されていますから、これからまだまだ病気の解明・治療の進歩が見られましょう。病魔の苦痛から免れ、延命出来ても死は免れられません。どう人生を歩むか。医学と違って夫々に難問があります。
2016年の統計で日本人平均寿命は男子80.98 女子87.14で香港についで世界第2位。百歳以上が6万7千人を越し、最高齢者は117歳でした。ただ100歳以上で寝たきりでない健康長寿者数は不明です。願わくは半数以上が自立生活をして欲しいものです。医学の進歩は十分この希望を叶えてくれましょう。
今回は細胞・組織からの解説で、感情や生活リズムによる変化まで説明されませんでした。喜怒哀楽・生活環境変化によるリズムの変化による人体変化の新しい研究成果を教えてほしいと思います。 嬉しい事楽しい事逆に悲しい時の感情による体の変化は現在でも自覚しますが、中枢からか末梢からによるものか、あるいは全身すべての神経が呼応して作用しているのか明快になれば、心がどこにあるかは哲学の話でなく医学の話になりましょう。分ればいいと言うものでない、分からない方が人間味があって面白いかもしれません。
今 目の前窓の外を大きな雲がゆっくりと北から南に流れていきます。その間にも形が変わっております。人間も一人一人みんな違った体格個性を持って生活しております。強い人弱い人、背も高低様々、顔貌も違います。文学を好む人、またスポーツに興味ある人その他さまざまな集団で社会が成り立っています。各々の進む道、大地を踏みしめて今年も頑張って歩みましょう。