眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m64

投稿日 2011年6月1日

子ども達の成長を願って

理事長 廣辻逸郎

5月6月は学校身体検査の時期です。五十年余り眼科校医として検診に従事して時代の変遷を感じます。
昭和三十年初め、神戸東灘区の某小学校に最初行った時、講堂にパンツ一枚の児童達が待っていました。(小児科の先生と一緒です)おしっこの匂いが漂っています。終戦からまだ十年程です。毎日風呂に入り、下着も替えて当然の現在からは想像も出来ないでしょう。トラコーマも20%前後見られました。それから十年後宝塚市で開業してこちらで検診に従事しました。次第に生活も落ち着いて衛生面も改善され、トラコーマはどんどん減少して来ました。市内に3か所あったトラコーマ診療所の患者さんも眼に見えて少なくなって、当初トラコーマで失明していた人も高齢で亡くなりもう見られません。(数年前閉鎖されました)疫痢・赤痢・腸チフス等隔離が義務づけられた伝染病も殆ど見られず宝塚市の伝染病舎も閉鎖されました。検診に行っても、どの子ども達も洗濯のきいた肌着で結膜炎はもう見られません。
今NHK朝ドラの「おひさま」が戦前の貧しい農村時代を描いております。男の子は戦争ごっこをし、奉安殿におじぎをしてお国の為に死になさいと教えられて過ごしました。幼稚園から、僕は軍人大好きよ/今に大きくなったなら/勲章付けて剣下げて/お馬に乗ってはいどうどう/と歌いました。戦争を知らない親から生まれた現在の子ども孫達のなんと溌剌伸び伸びと育ったことか。先日の大阪御堂筋フェスタでヒップホップダンスやよさこい踊り。羨ましい限りでした。二十年ほど前高校生検診で生徒がドカンと坐ってうっかりしたら殴られそうな事もなくなってみんなおとなしい感じです。平和な時代はそれにふさわしい産業・文化・芸術が育ってくれるでしょう。
廊下に張り出されている版画や絵等作品には何時も感心させられます。今日も幼稚園検診で可愛い園児にきちんと挨拶されました。

健康とは! 家に冷蔵庫が無かったら

冨山や各地でユッケ(牛肉の生料理)の病原性大腸菌0111による死亡事故が起こりました。私は生肉を食べたことがありませんので味については分かりませんが、人気があるとこからみても美味なのでしょう。
最近食品の購入時はみなさんも必ずと言っていい位産地・賞味期限や添加物まで確認され、そして冷蔵庫に保存されます。
何時も昔話が出て恐縮ですが、冷蔵庫はあっても氷を入れての小さなもので普通の家庭では使っておりませんでした。自ずとなま物はその日に食べ切りますし、魚も干物が多くなります。基本的に質素な生活と言うか貧乏で毎日のように生の魚や肉を食べる家はありません。保存法を工夫しました。醤油は瓶にカビが浮いていても醸造して出来たものだから大丈夫と教えられました。現代人はカビは大嫌いで悪者ですが、黴による醸造・醗酵と腐敗は全く違います。現在のように何カ月も保存の利く食品こそ防腐剤が入っていて有害です。最近は冷凍技術が格段に向上して防腐剤なしで保存できる時代ですから家庭に冷凍庫付き大型冷蔵庫は必需品になりました。国の安全基準の強化や、業者の努力もあって日本の食品の安全性は国際的にも認められています。その安全性を信じ過ぎるきらいがあります。今回も安全処理されていることが前提になっていました。今更言うまでも無く冷蔵庫内は無菌ではありません。低温で細菌の繁殖を抑えているだけです。ただ最近は自家調理が少なくなり、食べ残しは全部捨て、外食が主になってきていますから、家庭の冷蔵庫は缶ビールと子ども用牛乳の冷蔵保存用だけの使命になって行くのでしょうか。