眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m6

投稿日 2006年8月1日

暑中お見舞い申し上げます

理事長 廣辻逸郎

永い梅雨にうんざりでしたが、雨上がりとともに連日の猛暑に
これまたこたえますが、電車も建物も冷房が良く利いて極楽です。
ちじみのシャツとステテコに絽の羽織で、カンカン帽をかぶり、 扇子をバタバタ扇いで「あつおまんな」と挨拶を交わした頃を知っている人も僅かになりました。
煙の都大阪と歌われていても、陽が落ちると夕涼みが出来、夜空には天の川がはっきりと星空が輝いていた。土佐堀川に飛び込む青年もいた。このあいだ堂島の国際会議場を出たら川側から悪臭がするのに驚いた。現在の状況から見ると大阪もまだまだ環境は良かったのだなと思う。
私が宝塚に来た昭和三十八年人口7万であった。幼児期のこどもは寿楽荘で泥鰌やザリガニ獲りに興じ、早朝紅葉谷の奥でかぶと虫を獲って来たと目を輝かしていた。
しかし長尾山が一つ二つと消えてマンションが建ってきた。
人口が二十三万に増えたのだから仕方無いけれど、六甲山と長尾山に囲まれ、武庫川の清流に恵まれたこの環境をこれ以上壊さないで欲しいと切に願います。
八月十五日は終戦記念日です。
団塊の世代と話題になっていますが、この方達も戦後生まれで戦争を知りません。その子どもが青春を謳歌しているから、戦争に関心の無いのは致し方ないでしょう。それにしても先日ラジオを聞いていたら、ある女子大で、第二次大戦で日本が戦争しなかった国はどこか 米・独・英・豪で米に○をつけたのが五十人中十四人いたと話していました。シベリアや南方諸島で有為の青年や、幼い子ども妻両親を残して無念の死を遂げた英霊を忘れてはなりません。それも戦場で弾丸でなく、餓死や悪疫で亡くなられた方々はどんなに無念だったでしょう。
戦争は絶対してはなりません。そして食べ物を無駄にしてはなりません。

健康とは! くすりについて

医療とくすりは不可分です。薬はくさかんむりに楽しむ健康を楽しむ。或いはくさかんむりに楽(らく)痛みや苦しみから放されて楽になるということでしょう。
語源はくすることくするが訛ったもので、一つの刺激を与えるくすること手で撫でることで痛みを治め和らげるのが薬の原型医療の原型と言えましょう。
今から1800年前に中国で神農本草経という本が出され、それには365品目の薬品が収録されています。そして上薬(君薬)中薬(臣薬)下薬(佐使薬)に分類し、下薬は私達の使っている合成薬の抗生剤やステロイドが当てはまります。効力も強いが毒性も強いから連用を戒めています。
先人は漢方薬も高価で手に入りにくいので、身の周りの木根草皮を薬用に使ってきました。
おおばこ・きはだ・げんのしょうこ・せんぶり(十薬)・くこ・よもぎ等々まだ私達の住まいの周辺に見ることが出来ます。生姜(しょうが)は殆どの漢方薬に収められています。
薬も以前は鎮痛鎮咳等各成分の純末があって、乳鉢で混合して患者さんに処方していました。それこそ匙加減されましたが、現在は全て錠剤カプセルにされているので一度に何種類もの薬をのむようになりました。
大根・人参・牛蒡・玉葱・大豆・トマト全て立派なくすりです。
当たり前のことですが、毎日三度の食事も大事な薬であることをお話したかったのです。

目の病気 虹彩篇

透明な角膜を透して瞳瞳孔が見えます。日本人は有色人種ですから、黒褐色で、良く診ると
紋があります。紋理と言います。この紋理は個人によって異なりますから、個人の識別 にも利用されます。西洋人は色素が少なくて青色です。
色素の多寡によって光線に対して反応が違い、日本人は西洋人より眩しさは少ないです。
虹彩は血管が豊富です。これは出血しやすく、抗原抗体反応(アレルギー反応)を起こしやすい原因です。
虹彩は瞳孔を開く(大きくする)筋肉と縮小する(小さくする)筋肉があり、それぞれ自律神経の支配を受けているので、喜怒哀楽が瞳孔に表れます。
虹彩は続いて毛様体脈絡膜と組織的に続いていて、葡萄の房のように見えるので、合わせてブドー膜と言います。従ってブドー膜の発病部位 によって虹彩炎・虹彩毛様体炎・ブドー膜炎と病名をつけます。
虹彩毛様体炎
虹彩・毛様体それぞれ単独に炎症を起こす事が少ない。眼が赤くなった時、軽い結膜炎と自己診断して放置して、見にくくなったり、痛みが出てから眼科を受診される方がままあります。
結膜炎と一番の違いは、目脂が出ないことと、充血の色が違います。しかしこれは医師が診て始めていえることですから仕方ありませんが、おかしいなと思ったら躊躇無く先ず受診しましょう。
原因外傷(打撲・刺傷)角膜炎に付随して感染で起こることもありますが、内因性のことが多いです。細菌ビールス感染の内科的疾患の他、アレルギーとして発病します。
治療ステロイド剤が使われるようになって、非常に治療効果 が見られ、以前は失明する事が多かったのが非常に少なくなりました。
勿論散瞳剤を使って、瞳孔が後の水晶体と癒着しないようにするなど医師の的確な治療は欠かせません。
脈絡膜炎(ブドー膜炎)
原田氏病

急性に両眼ブドー膜の広範囲な炎症を起こし、全身症状として、脱毛や白変、皮膚の白斑を来たす病気で、早期診断治療で今日では失明から免れるようになりました。
ベーチェット氏病
眼には再発性前房蓄膿性虹彩毛様体炎の形で現れますが、アフタ性口内炎陰部潰瘍の皮膚粘膜症候群で、再発を繰り返し、難病で特定疾患に指定されています。
要するにブドー膜の病気は失明につながる眼の病気ですから、慎重に対処しましょう。

お願い

先日受付事務の対応が悪いとお叱りの投書がありました。職員一同平素から注意しておりますがご不快な印象を持たれたことにお詫びし、一層注意しますが、もう少し、具体的に指摘下さればと思います。
尚保険証・医療証は確認のため、毎月初めには必ずご持参願います。