眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m30

投稿日 2008年8月1日

世代交代

理事長 廣辻逸郎

昨年十月大学病院の勤務を辞職して廣辻徳彦が広辻眼科にフル勤務するようになって十ヶ月になりました。昭和三十八年十月に山下橋手前で開業以来通院下さった昔からの患者さんも最近通院下さる患者さんも、新しい院長に大分馴染んでいただいたと存じます。永年通院下さった患者さんに改めてお礼申し上げます。
医師に定年はありませんが、日進月歩の医学・医療の知識に後れを取らぬよう日々研鑽しても限界があります。勿論開業医での守備範囲は限られておりますから、それぞれの専門病院に紹介して診断治療に遅れや間違いのないよう心掛けてはおりますが、やはり新しい知識を持った眼で患者さんを診察し治療する責任があります。
このマンスリーの欄でも時代の変遷とともに病気も診断治療法も変わってきたことを記載してきました。
現在新院長は毎週午後こだま病院のご厚意もあって、白内障その他日帰り手術を行っております。幸い全例経過良く喜んでいただいております。今年4月から洗眼行為は止めました。薬の処方だけ希望の方も、一応医師が面談して処方箋をお出しすることになりました。処方箋だけ欲しいのに、長い時間待たされてとお思いの方もおられましょうが、厚生労働省の指導でこれが正しい規則です。新院長は私に比べて丁寧に診察し、カルテの記載も詳細ですから、診察時間も長くなってお待ちの時間も長くなっておりますがご理解ください。
大学で培った知識に、更に最新の眼底検査機器も導入して必ずやご来院の皆様のご期待に副えると存じます。
診療以外でも受付事務、検査員につきましてもご意見ご不満な点がありましたらご遠慮なくお聞かせ下さい。
診療は一応新院長に任せておりますが、私はまだまだ元気で専門医研修会にも学会にも出席して新しい知識の吸収に努めております。
市内の多くの医院も前院長が亡くなられたり、高齢で新旧交代されました。新院長も宝塚市立第一小学校出身です。地元の眼科医師として地域医療のお役にたてれば幸甚です。

健康とは! なぜこの病気になったのですか?

診察を終わって一番に聞かれるこの質問は実は医師に最も難しい質問でもあります。勿論ボールが当たった、叩かれた。ゴミが入った等、外傷性ではっきりした原因の場合もありますが、実は原因が不明のことが大半なのです。ゴミが入ったと来られても実際はゴミでなくコンタクトによる角膜の潰瘍の場合もあります。
大昔は疫病が流行すると神の怒り呪などと考え巫女(なぜか不思議に女性の役割)が祭りを行って悪魔や悪霊払いをしました。しかし16世紀末(豊臣徳川初期)オランダで顕微鏡が発明され、19世紀後半からパスツールやコッホが細菌を発見し、1897年志賀潔の赤痢菌、1919年野口英世の黄熱病の発見など細菌学の進歩で伝染病の原因が解明され、また治療や予防も可能になりました。電子顕微鏡やレントゲンCT,MRI更に高度な光学機器の開発で随分と病態が解るようになりました。しかし病気の本態がわかっても病因にまで繋がらない場合が多いのです。眼科で問題の緑内障や黄斑変性も歳をとるほど起こしやすいと言ってもなぜ私がこの病気になったのかと聞かれ返答に困るわけです。遺伝子の研究が進めばもう少し解って来ましょうか。尚病名の頭に特発性と書かれているのは原因不明という意味です。
例 特発性難聴など