眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m190

投稿日 2021年12月1日

1年の終わり

院長 廣辻徳彦

毎年のことですが、1年はあっという間に過ぎていきます。少し前まで夏の暑さが気になっていたのに気がつけばもう12月、今年は皆様にとってどのような年でしたでしょう。
1年のことと言えば、どうしても新型コロナウイルスについて書かなければなりません。9月の終わりからから感染が落ち着き、11月はどうにか平穏な時期を過ごすことができました。年末の行事に合わせて第6波に気をつけなければというところでしたが、感染力がデルタ(δ)株を上回るという変異株「オミクロン(ο)株」が南アフリカで検出されました。欧州、オーストラリアに広がり、日本にも入ってきました。おそらくこれから流行しますので、マスクや手洗い、三密を避けることとワクチン3回目の接種で対策していくべきでしょう。ちなみに、変異株はアルファ(α)型に始まりギリシャ文字の読みを名前に当てはめています。デルタ株は4番目、12番目のミュー(μ)株までの文字が使用されていました。オミクロンは15番目に当たり、13、14番目が飛ばされています。13番目の「ニュー(ν)」は英語の「new:新しい」と読みが同じだから、14番目の「クサイ(ξ)」は英語表記が「Xi」で、中国の習主席の英語表記「Xi」と同じになるので避けられたというお話です。WHOの中国への配慮が伺えるところです。
今年は東京オリンピックが1年遅れで開催されました。無観客ではありましたが、連日選手の活躍には感動させられました。来年に予定されている北京の冬季オリンピックは、コロナウイルスと女子テニス選手の失踪問題でまだ揺れています。どうか選手にとってストレスの少ない方向に向かってほしいものです。選挙は昨年でしたがアメリカではバイデン大統領が就任し、日本では菅首相が退陣、岸田首相が誕生しました。最近距離が近すぎる感のある日米関係ですが、しっかり舵取りをしてくれることを期待します。静岡では住宅地を土石流が襲いました。最近は誰もが動画を撮れます。土石流の映像は本当に恐ろしいものでした。電車の中での無差別殺傷事件も相次ぎました。車内は密室状態なので逃げ場がありません。自然災害や社会的事件はなくならないものですが、常にそういうことに対して備えておくべきなのかもしれません。秋には小室さんと眞子さまが結婚されました。お二人にはこれから幸せな生活を送って欲しいものです。
個人的には初孫が生まれ、それだけでプラスの1年でした。来年も(こそ?)良い年でありますように。

健康とは!

12月には冬至があります。冬至は一年のうちで最も太陽の高さが低い日=最も昼が短い日となります(ただし、日の出が最も遅いのは当時より半月ほど後、日の入りが最も早いのは当時より半月ほど前だそうです)。冬至には柚子(ゆず)湯に入る習慣があります。柚子は「融通(ゆうずう)がきく」、冬至は「湯治(とうじ)」との語呂合わせもあり、「1年中風邪をひかないように」という意味が込められているそうです。そもそも日本人はお風呂好きで、柚子に限らず5月の節句には「菖蒲湯」に入ります(菖蒲にも「勝負」や「尚武」との語呂合わせの意味があります)し、季節によってはみかんやよもぎ、菊、薄荷(はっか)、ドクダミなどを浮かべることもあるようです。先日ニュースで、北海道で「マルメロ」というカリンによく似た果実をお風呂に入れる「マルメロ湯」のことが紹介されていました。カリンを浮かべるカリン湯というものもあるそうで、どちらも香りがとても良くいい気分になれるそうです。お風呂にいろいろなものを浮かべて香りを楽しむ、ビタミンCや薬効成分などの効果を期待する文化は洋の東西を問わず昔からあります。香りと効能と言えば、檜風呂や温泉に入ることもただのお湯に浸かるよりもはるかに私たちの好みに合っています。寒い冬至に硫黄や柚子の香りに満ちた露天風呂でゆっくりできれば幸せです(休みが取れませんが・・・)。
さて、冬至にはもう一つ「かぼちゃを食べる」という習慣があります。冬至は1日の中で昼が最も短いためこれから昼がだんだん長くなる、すなわち太陽が生まれ変わる「一陽来復」の日であり、これから運気が上昇していくことを期する日でもあるのです。運が上昇するように「ん」のつく物を食べるのが良いと考えられるようになり、特に「ん」が2回つくものを食べると良いとされています。冬の七種(ななくさ)と言って、南瓜(なんきん=かぼちゃ)、饂飩(うんどん)、寒天(かんてん)、金柑(きんかん)、銀杏(ぎんなん)、人参(にんじん)、蓮根(れんこん)がこれに当たります。冬にビタミンやカロテンの多い緑黄色野菜であるかぼちゃを食べることで、冬の健康維持や風邪予防に役立てるという意味が込められているようです。
冬は空気が乾燥してウイルスが漂いやすくなり、喉や鼻の粘膜も乾燥して病原体が付着しやすく排除しにくくなるなど感染症に注意がいる季節です。柚子湯とかぼちゃで乗り切って新年を迎えましょう。