眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m18

投稿日 2007年8月1日

お盆

理事長 廣辻逸郎

八月はお盆の月です。この一年何人かの知人や患者さんをみおくりました。謹んでお悔やみ申します。
お盆にはご先祖さんをお迎えして色々お供をし、お供養しておまつりする習慣があります。段々と簡素化されて、新年を祝う正月も、仏様を祀るお盆も、夫々冬季夏季の休日になった感がありますが、ご先祖様に感謝し、家族の安全繁栄を願う心は何時までも持ち続けたいものです。
さて「天国や極楽てどんなとこやろ」と若いスタッフに聞きました。「天国や極楽から帰ってきた人いないからわからへん」やら「お花が一杯咲いて、蝶々が飛んで、鳥が囀って、暑くも寒くもなくて、熟れた桃や美味しいものがあって、…・」「そんなら春ばっかりで雪はみられへんで」「着る物は?」「そらみんな白いもん着てはるで」「おしゃれすんのどうするやろ」「仕事何もしないで毎日どうしよう」他愛もない話をしていました。みんな子どもの頃に教えられた、煮えたぎった釜や怪物ののたまわる池の地獄へは行きたくないのでしょう。でもよく考えてみたら、今私達の住んでいるこの日本はどうでしょう。
格差・年金・教育・医療等色々と問題はありますが、デパートには山の様に高価な服飾家具が展示され、デパ地下の菓子食料品はどのコーナーも豊富で新鮮しかもお客が列をなしてます。外に雪が降っていても室内は薄着で仕事をし、夏は冷房で快適です。赤ん坊のあせもはもう見ません。乳児の死亡率は最低で逆に世界一の長寿国。奥様方はお洒落でグルメを愉しんでおります。青年も徴兵の心配もなく、青春を謳歌しております。六十年以上戦争がないこの平和な日本が極楽天国でなくてなんでしょう。
八月十五日は終戦記念日です。日本の存亡をかけて尊い命を亡くされた多くの戦没者の御霊に心から黙祷を捧げましょう。
生きているこの世が天国地獄。自殺者が三万人を越す現実もありますが、この有難い天国が地獄に変はらないないように願っております。

健康とは! 免疫について

免疫学はとても難しい学問です。私自身も何遍も講義を聴いても中々理解できておりませんが、病気に対応する考え方の一つとして取り上げてみます。
基本的に病原体などが、体に入って病気を起こそうとするのを防御する働きを免疫と言います。抵抗力と言い換えてもいいでしょう。生体は微生物はじめ病原体の中で生活し、体内にも持っております。それでいて発病しないのは、生体の免疫力、抵抗力によるものです。菌力と、抵抗力のバランスがどちらに偏るかが、発病するかしないかに関係しております。そのために栄養・休養・体力が大事なわけです。昔の砦を想像してください。壁を高く分厚くして敵の侵入を防ぎます。城内には水・食糧を備蓄して戦力を維持します。栄養・休養・体力がこの強い砦です。
生体の防衛体の第一は白血球中です。その白血球軍団に命令指揮しているのが自律神経です。自律神経は前にも触れましたが、交感神経・副交感神経二つに分かれ、感情神経とも言われます。生体は自律神経・ホルモンの分泌が微妙に絡み合って働いて円滑に機能しております。
ガンに対して、放射線療法・手術・抗癌剤治療は、白血球を破壊し、生体のガンに対する防衛力を低下するから避けるべきで、免疫療法をすべきと主張する学者の言い分も一理あります。
免疫力高揚のために、感情・心の安定、或いは笑いの効用も免疫力強化に作用します。
今回は薬に頼らぬ免疫力について言葉不足ですが記しました。

ペットから感染する病気

ペットを愛玩される方が大変多くなってきました。心の癒しとしてペットの役割も大きいです。日本で飼われている犬は1000万匹、猫は800万匹とある本に記されています。
犬猫以外に蛇や亀その他色んな動物が飼われていますが、それらの動物から病気が感染する危険のあることを忘れてはなりません。狂犬病のように日本では見られなくてもまだ危険地域があります。海外旅行の機会が多くなっているだけに余程の注意が必要です。
主な病気について簡単に記述します。
1 アレルギー
感染ではありませんが、動物の毛のアレルギーは時々診ます。犬や猫を飼っている家に行っただけでも喘息や目が痒く腫れることがあります。動物を触ったり、抱いたりした後、必ず手を洗いましょう。手洗いはどの場合も必須です。
2 犬・猫の回虫
犬・猫の寄生虫に回虫がいます。回虫の虫卵が口から入って、幼虫のまま血液の流れで体内の色んな場所にたどり着きます。肝.肺.脳.眼球等で夫々特異な症状が出ます。砂場の砂に犬猫の糞便が入り、幼児の口から感染します。大人にも感染の危険があります。口移しで餌をやることはとても危険です。可愛くて動物と一諸に寝ることもやめましょう。鶏や牛のレバーや生肉からの感染も指摘されています。
3 犬猫の皮膚病
犬猫の皮膚病主にカビの感染がありますが、ペットを清潔にすることで予防出来ます。
4 パスツレラ症
犬猫の口の中に普段からいる細菌で、犬の75%、猫の97%口の中に、猫の20%爪に存在します。健康体では発症しないそうですが、かまれた時は傷口を石鹸でよく洗って様子を見ましょう。
5 狂犬病
日本では1957年以降狂犬病は発生していませんが、世界では年間3~5万人が狂犬病で死亡しているのが現実です。こうもりやアライグマからも狂犬病ビールスが見つかっていますから、洞窟などの冒険旅行も要注意です。
6 猫のトキソプラズマ症
 トキソプラズマ原虫は犬猫等のペットや豚などの家畜に高い割合で感染していますが、とりわけ猫の感染率が高いので注意しなければなりません。私の外来でも胎内で感染したと思われる患者さんや、中年の夫人を診ております。最近の眼科専門誌にも成人の症例報告が記載されていました。
妊娠中の母体から胎児に感染し、幼児の網膜に原虫が寄生します。強い視力障害をおこします。
母体が感染して全て胎児に症状が出るわけではありませんからむやみに心配することもありませんが、このような病気があることを念頭に、ペットの糞便に触れぬよう、ペットを触れば手洗いを充分することを繰り返しお話します。
7 鳥のオウム病
鳥で多いのはオウム病でクラミジアという微生物からの感染です。病気の鶏の排泄物が乾いて粉塵状になったのを吸入したり、口うつしで餌をやることで人に感染します。オオム病と言う名前が付いていますが、セキセイインコや鳩からの感染もあります。
8 その他
亀のサルモネラ、アライグマの回虫、ハムスターの皮膚病などどの動物にも病原体が付着しています。
そのことを忘れずに、清潔な環境での飼育とむやみな接触可愛がりはやめて、手洗いを充分すること。そうして癒された心で楽しい生活をエンジョイしましょう。
国立感染症研究所 岡部信彦博士の「ペット感染症が危ない」を参考に記しました。