眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m173

投稿日 2020年7月1日

そろそろと自粛の解除

院長 廣辻徳彦

梅雨の季節がやってきました。兵庫県南東部でもさすがに雨の日や曇りの日が多くなり、梅雨らしい日々が続いています。毎年のように各地で繰り返される大雨の被害がないように願いたいです。昼間はムシムシしていても、夜は比較的過ごしやすい気がします。もっとも、7月にはさらに気温が上昇し台風も発生してくるでしょうから、暑さ対策も忘れずにしておきたいものです。天気予報によると、今年の梅雨と夏の降水量は平年並みで、夏の気温は暑くなる予想だそうです。毎年蒸し暑い日本の夏は、熱中症にも気をつけなければいけない時期でもあります。通勤、通学時間の今津線の電車内にも小中高の学生さんが増えて混雑している中、エチケットとしてマスクの着用は必要ですが、混雑していない道を歩く時には厚労省が推奨するようにマスクを外すことも熱中症予防に有効と思われます。コロナ感染は避けたいですが、熱中症も命に関わるものなので両方に気を遣いながら過ごす夏になるのでしょう。
自粛モードが緩やかになり、社会生活もかなり元どおりになってきました。特に飲食店、観光業にとっては長い自粛は大変な状況だったかと思います。県外への移動も解禁されつつあります。8月にはお盆が控えていますが、この状況では海外へ行こうと計画していた人は旅行を諦めざるを得ない状態でしょう。国外に行けない代わりに国内旅行の予約は多いと聞きます。最近の旅行は必ずしも「安近短」という訳ではなく、旅館も比較的高い部屋から埋まっていくそうです。決して景気が良いとは思えないのですが、「遊ぶときにはしっかり遊ぶ」風潮なのかもしれません。とはいえ、すでに罹患した人以外は新型感染症の抗体を持っていないので、ワクチンが実用化されるまでは油断ができません。今でも東京では少なからず感染者が報告され、周囲の県で増加の兆しもあるようです。人の移動に伴って感染症が広がるのは、つい数ヶ月前に経験したことです。楽しいはずの旅行で感染してしまっては元も子もありません。7月はオリンピックのために設けられた連休(海の日とスポーツの日)もあり、あまりに自粛しすぎるのは考えものですが、対策をしっかりとって楽しみたいものです。私は今のところどこにも出かける予定がないので、住む人のいなくなったクリニックの2階の片付けでもしようかと考えています。

健康とは! (心にゆとりを)

最近、「自粛警察」や「マスク警察」という言葉をニュースやインターネットで目にすることがあります。公園で遊んでいる子供たちを非難したり、電車内でマスクをしていない人を捕まえて文句を言ったりする人のことを指すようです。家の中にいるだけでは子供たちが退屈してしまうのは仕方がなく、せめて公園などで身体を動かせばいいのではと普通の人なら考えるところを、「まだまだ自粛をせねば」とか、「大きな声を出して動き回るとはけしからん」とか思うのでしょうか、子供や親御さんに向かって文句を言うなど、何もそこまで気にしなくてもと感じます。また、混雑していない電車の中であれば必ずしもマスクの必要はないのですが、「マスクしていないと犯罪だ」という勢いで、わざわざ近づいて注意をする人がいるのだそうです。医療用の高性能マスクであれば感染予防に役立ちますが、一般のマスクは自分の感染予防より飛沫を広げないためのものです。マスクをしていなくても、おしゃべりをしないとか咳などの時にハンカチなどで口を覆うなどができれば、あまり問題になりません。たとえマスクをしていても、人に近づいて大声を出す方が良くない行為と考えられます。
程度にもよりますが、このような人たちの言っていること全てが間違いではなく、また確信犯的にマスクをしないで電車内でおしゃべりをしている人もいる以上、その人を一方的に非難できるものではありません。それでも考え方があまりに極端になると、たとえ正しいことを主張していても受け入れられないこともあります。この欄を書くようになった最初に、健康の定義が「身体的・精神的・社会的に良好な状態であり、単純に病気や虚弱でないというだけではない」ということをご紹介しました。身体的健康を守ることを考えるあまり、他人の行いに余裕がないほど厳しく反応してしまう状態は、精神的な健康状態にあるとは言えません。今回の新型コロナに限らず、限りなくゼロリスクを追求することを求めてしまうと余裕がない状況になってしまいます。病気に対しても他人に対しても自分を守りたい基準はあるでしょうが、それを押し付けることのない「心のゆとり」を持つのも健康な生活かと考えます。