眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

(受付)午前8:30〜 午後2:00〜 (休診)土・日・祝祭日・年末年始 ご予約・お問い合わせ0797-72-6586

広辻眼科マンスリー 第m157

投稿日 2019年3月1日

もうすぐ春です

院長 廣辻徳彦

三月は寒さが和らいで暖かくなり、春の訪れを実感する頃です。自分の誕生月ということもあって意識するのかもしれませんが、毎年のようにニュースになるのは東大寺、二月堂のお水取りです。最大八メートルの松明を手に二月堂を渡る僧侶たちの姿と松明の篝火を見るために、多くの見物客が訪れます。夜のお堂と光のコントラストを写真に収めようとカメラを手にしている人も大勢います。三年前に一度だけ、奈良で勉強会があった後に、松明を持った僧がお堂を走る場面を見ることができ、印象深く感じたのを覚えています。先にお水取りとは書きましたが、「お水取り」とは三月十二日深夜に若狭井から観音様にお供えする「お香水(こうずい)」を組み上げる儀式のことで、三月一日から十四日まで大きな松明に火を灯す儀式のことを「お松明」と言うそうです。この期間、実は毎日十本(一二日だけは十一本で松明のサイズも大きめ)の大松明がお堂に上がるので、見に行くのなら平日が狙い目です。ニュースではお水取りとして知られている行事ですが、東大寺でいくつか行われている行の中で、西暦七五二年から戦中も一度として途切れずに続いている「修二会」という行事の一環であるということです。
さて、古都として有名なのが京都と奈良、と言うことには異論がないと思います。派手めで観光客の多いのが京都、ひなびた感じの奈良という印象もあながち間違いではないでしょう。どちらがよいと比較はできませんが、京都はあまりにビルやお店や人が多く、空がよく見えてゆっくり歩ける奈良に行くのが好きです。近鉄奈良駅を降りれば徒歩すぐに猿沢池と興福寺に行き着きます。その先には東大寺、春日大社、元興寺など有名な社寺が並んでいます。特に、昨秋約三百年ぶりに再興なった興福寺の中金堂は一見の価値ありです。その中金堂と隣接する東金堂にも多くの国宝、重文の像が並んでいますが、有名な阿修羅像は国宝館の中で他の八部衆や十大弟子像とともに展示されています。十年ほど前に東京で展示された時には、博物館への入場に数十分以上待たなければならなかったそうですが、奈良に行けば待ち時間なしで拝観できます。周りの社寺と国立博物館などにも行けば、国宝や重文を一日で何十どころか何百見ることもできます(もちろん建物自体が国宝だらけです)。それらを見るためだけにあくせくするのは本末転倒ですが、暖かくなるこの季節、また奈良までトコトコ出かけていければと考えています。

健康とは!

現在、私自身のことを言えば、体重や血圧などに関して多少の問題はあるものの、明日には自分がどうなるというような心配もなく過ごしています。しかしながら、先日競泳の池江璃花子選手が、「白血病で治療を開始することになった」と自身のツイッターで発表したことが話題となりました。池江選手はまだ18歳、昨年のアジア大会では最優秀選手に輝いた、間違いなく東京オリンピックの中心選手になる若手スイマーです。昔よりも治療の選択肢が増えたとはいえ、その病気が生命に関わる可能性も考えなければいけない白血病であることから、日本だけでなく世界にも驚きとともに発信されたニュースとなりました。ワイドショーなどで騒ぎすぎたのを放送局が自粛したのか、池江選手についての話題が少なくなってきたと思ったところへ、今度は堀ちえみさんが舌癌で手術を受けると自身のブログで報告されました。昭和の終わり頃、ちょうど私が高校生から大学生の時代は、いわゆるアイドル全盛期でした。堀ちえみさんもその頃にデビューされ、今でも午後のテレビ番組に出演されているところ、ステージ4という進行期の癌で手術を受ける状況になったとのことでした。有名人である以上話題になるのは仕方がないことかもしれませんが、先日手術も無事終了したようで、回復を祈りたいものです。
実際にこのようなことは世界中で毎日起こっています。日本人の2人に1人は癌になり、3人に1人は癌で死んでいく時代です。正確には癌や肉腫、白血病などの病気を総称して悪性新生物と言い、戦後長い間、日本人の死因の順位は脳血管疾患、悪性新生物、心疾患でした。昭和の末ごろに悪性新生物が1位となり、その後脳血管疾患が少なくなって、今では悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患の順になっています。高齢化社会を反映して老衰という原因も増加傾向にあり、近年行われるようになった肺炎球菌ワクチンの影響で肺炎の割合がまた減少するかもしれません。いずれにせよ、誰もに等しく死は訪れます。どのような環境でそれに向き合うようになるかは平等ではありませんが、こういった話題を耳にして、自分ならどのように向き合うかを考えさせられた2月でした。