眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m136

投稿日 2017年6月1日

元気にしております

理事長 廣辻逸郎

先日毎日新聞川柳欄に宝塚にお住いの 忠公さんの作品が掲載されていました。
『久し振り老医師(センセイ)達者にお過ごしで』  宝塚 忠 公
診療を息子の院長に任せて自室で好きなことをしておりますが、たまに診療に顔を出したり、道で患者さんにお会いすると「あ 先生お元気ですか」と声をかけて頂きます。病気引退したわけではありませんが、患者さんの診療に対応する第一線で日々進歩する医療に大学病院で診療研究に従事してきた若者にバトンタッチする時期到来と院長職を交代しました。患者さんの理解もあって従前の患者さんも新しい患者さんも来院して頂いております。 直接の診療責任から解放されて随分気が楽になりました。
気は楽になりましたが年を重ねると体力の衰えは否めません。周りをみても、歩いていて一寸した凹凸でけつまずいて転倒骨折した知人が何人もおられる、うっかりミスがあります。運転に自信があるのにアクセルとブレーキを踏み違え思わぬ大事故が新聞やTVで報道されています。歩行に不安な方は杖をお使いですが、杖も慣れるのに少し時間が掛かるそうです。余談ですが「高齢になってくると杖は杖でも『金の杖』がないと困るよ」と最近病気で倒れた友人が話しておりました。また先日のラジオで、「定年後も長生きするようになったが『きょうよう』が大事です。きょうようは『教養』でなく、『今日用がある」です。朝起きて今日は何から片づけようかに始まる現職から離れて、さて今日はどうして時間をつぶそうか、別に何もなければも少し寝ていようか。の生活が続くと何ともつまらない老後になります。男性それも社会的に現役時代肩書のあった人ほど要注意です。現役を離れたらただの人。奥さんは秘書ではありません。濡れ落葉と言われぬよう努力しましょう。その点女性は強いです。ボランティアしたり、友達を作って上手に老後を楽しまれます。現役時代は動けば収入になりますが、離職すると逆に支出になります。培ってきた能力や趣味を生かして社会に還元し、自身も楽しく元気に過ごしましょう。

健康とは! 佐藤愛子さんのはなしから

「今年93歳の小説家佐藤愛子さんに聞く」と題してNHKラジオ深夜便で聴取者からの質問に答えるという形でほぼ2時間放送されました。ご存知佐藤さんは『90歳 何がめでたい』を出版され評判になりました。「お嫁に行く人とか子どもを産む人には歳は大切かもしれないが今となっては91でも3でもどうだってよい」「90と言えば卒寿でおめでとうございます。白寿まで頑張ってください」と満面の笑みで挨拶されると「はあ有難うございます」と義理と思って答えるが、卒寿何がめでてえ!と思っている。など、辛辣で憎たらしいババですが、老いは人生の総仕上げである。またああ面白いといって死にたい。等々話されている。放送でも、死は当然で逆らえない。 美容・健康法なんて心掛けは何もない。栄養剤も飲まない。食べものの好き嫌いもない。老人になると死になれて怖くなくなる。体力の衰えに慣れてくる。生きとし生きている者は滅びる物だ。老人と違って若い人はエネルギーがあるから、その若い人の死は気の毒だ。佐藤さんは有名な作家の娘として生まれ、異母兄にサトウハチロウさん。そしてご自分も作家であり、新聞の社会面を賑わかす経歴をお持ちだが、このたくましい生き様は凄いと感心します。よくテレビで元気なお年寄りに「健康の秘訣は何でしょう」とマイクを向けられて「私は毎日ラジオ体操をしています」「私は毎朝ヨーグルトにオリーブ油を入れて欠かさず飲んでいます」「私は栄養剤をずっと飲んでいます」等色んな答えをされているが、それはその方がそう信じていることで、間違ってはいないがそれだけで長生きできているのではないでしょう。
抑々長生きの秘訣ってあるはずはありません。怪我をしないように家でじっとしている。食事は3食きちんとカロリー計算して蛋白質・脂肪・炭水化物を摂る。そんな生活はつまりません。体操もヨーグルトも悪くはありませんが、それで長生きできているわけではありません。運よく死病に取りつかれず、災害にも直面せず生き残れた幸運児だったのです。前にも記しましたが、人間を形成している細胞にはすごい数のDNAがあって、その中に癌・高血圧始め色んな病気のDNAが存在するのです。その悪玉が頭をもたげないようにするのが健康法でしょう。神仏に祈るのも同時に自分への戒めを誓っているのです。若い時エネルギーが溢れるほどある時にはしっかりと働きましょう、体力そして経済力も落ちれば不義理は許されます、それに見合った生活で日常を過ごし、楽しい老後を送りましょう。気力は何歳になっても持ち続けたいものです。