眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m116

投稿日 2015年10月5日

秋の風情

理事長 廣辻逸郎

朝夕日毎陽が短くなってきました。6時半のラジオ体操が朝日にまぶしかったのにもう直ぐ日の出前に始まります。今年の夏は格別猛暑が続きました。熱中症で搬送される人が一日千人を超えました。でも「暑さ寒さも彼岸まで」で案山子や曼珠沙華がTVで放映されて秋を感じます。ただこの時期いつもなら赤とんぼが可愛い姿で庭に出た私の周りを二匹まとわるように飛んでくれるのにまだ姿を見せません。部屋の隅からのコオロギもまだ鳴きません。ここ野上周辺の環境は左程変わったように思いませんが街全体が都市化しているのでしょう。
昆虫といえば最近読んだ『昆虫はもっとすごい』(光文社新書)は解剖学者で昆虫にも詳しい養老孟司氏、アリと共生する昆虫専門の丸山宗利氏、ネジレバネという生態が殆ど明らかになっていない寄生性昆虫とその宿主を研究する中瀬悠太氏3人の鼎談は昆虫に余り興味を持っていなかった私も楽しく一気に読了出来ました。特に第2章の『社会生活は昆虫に学べ!』冒頭の丸山 前作の「人間がしていることはすべて昆虫がやっているというキャッチコピーを見てそんなわけないだろうと思われる方も多いと思います。しかし巨大建築を作るし結婚詐欺だって農業も、生活の基本は大体昆虫は人間の先を行っている。」中瀬 集団生活もし、カーストも作り子育てもする。何でもしていると言っても過言でない。と先ず昆虫を認めよから始まっている。
専門家の凝縮された話を僅かな紙面に述べることは不能だが虫けらとか雑草とか偉そうに言っている人間が何千年も戦争を続けて殺し合いの歴史を繰り返し。詐欺さらに子殺しのニュースは連日絶えません。学者・宗教家・社長肩書を取れば一生物です。

健康とは! 「植物はすごい 七不思議篇」田中 修著 中公新書

上段で昆虫のすごさを転用しましたが、前にも紹介したことのある甲南大学田中修教授の植物の話もとても興味津々で植物たちの“ふしぎ”の世界に足を踏み入れ、”すごさ”を味あわせてくれます。
本書はさくら・あさがお・ごーや・とまと・とうもろこし・イチゴ・チューリップの七つを取り上げておられますが身近な周りの雑草・樹木・野菜・果物にも広がって観察できると記述されています。
昆虫も植物も同じ生物ですが一番の大きな違いは繁殖の仕組みでしょう。昆虫は主に雌雄が移動して相手を選び交尾して子を作ります。植物は動かずに蝶や小鳥など小動物を介して受精し、種子果実になって風に乗ったり動物の体表について運ばれたり鳥の糞として広がったりその他様々な手段を取って遺伝子を残そうとします。
孔雀の羽の美しいのは雄の方で、一般に雄は雌にアピールするために見場をよくし、せっせと貢物をするようで人間も変わりません。面白いのは進物を包装して大きく見せたり、ひどいのは中身がなくて外箱だけで雌の気を引くのがあるそうです。そうして首尾よく交尾出来てその進物が食べ終わるまで交尾が続く、中には雌に食べられる雄もあります。
さて動植物夫々に色彩を持っていますが、色覚はどうでしょうか。人間のような色の感覚はあるのでしょうか。ネットで調べてみると動物によって様々で、人間の3原色赤青緑でなく2原色、4原色或は紫外線を感じるもの等で色彩豊かなのもそれなりに意味があると理解できます。
地球上の生物何万年もの生活を経て様々な生き様をしています。さて人間は何時戦争をしなくなりましょうか?