眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m115

投稿日 2015年9月1日

中秋の名月

理事長 廣辻逸郎

今年の中秋名月は9月27日(日)です。縁側にススキを活け小餅や小芋時には栗など供えて豊作の祈りや感謝をします。都会では縁側もなく段々と月を祀る風習はすたれてきました。
♪兎ウサギ何見て跳ねる十五夜お月さん見て跳ねる♪童謡に歌われ竹取物語や金色夜叉など沢山月が語られています。星座もギリシャ神話の対象になって女神の名前が付いています。洋の東西を問わず月や星を文学的に扱われることが多かったのですが、科学の進歩と共に宇宙の神秘が少しずつ剥がされてきました。
1969年7月米国アームストロングとオルドリンがアポロ11号で月面着陸しました。地球から38万4400㎞。兎でなくて大きなクレータをTVに映しました。翌年の万博会場では彼らが持ち帰った『月の石』を見ようとアメリカ館に長蛇の列が出来ました。今年8月末に日本から宇宙ステーション補給機こうのとり5号が発射され400㎞先の秒速7.7㎞90分で地球を1周1日16回移動している宇宙ステーションにドッキングされました。色んな宇宙空間の実験がされているのでしょうが今回の荷物の中にサントリーウイスキーが含まれ1年後熟成の違いを研究するそうです。(こうのとり本体と発射費用360億円は日本負担)
天文学も肉眼で観測した時代から今やハワイ国立天文台ハッタ観測所のすばる望遠鏡は口径8.2m特殊なレンズで天体を撮って性質を分析しています。昨年発射された探査機はやぶさ2号は小惑星の土やほこりを5年後に持ち帰る予定と報じられています。現在何万㎞先を航行しているのでしょうか。
 彗星や流星の正体が明かされ、亡くなった人が星になって瞬いて天上から見守ってくれているという思いを幼子に伝えられなくなりましたが、何時の日か宇宙人に逢えるのでしょう。

健康とは! 重陽の節句に因んで

9月9日は1年で陽気の一番大きな9の重なる日で重陽の節句とされ平安時代宮中では前日に詩歌の会が催されました。私達の世代は中学で習った大宰府に左遷された菅原道真が前年に重陽の歌会での思いを詠った「秋思」の詩を思い出します。
 去年今夜侍清涼/ 秋思詩編独断腸/ 恩賜御衣今在此/ 奉持毎日拝余香
旧暦で節句として民間で催された節句は次のとおりで
1月7日 人日の節句 七草粥 セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトトギス・スズナ・スズシロ
3月3日 雛 節句  甘酒・あられ・菱餅・桃の花  雛飾り
5月5日 端午の節句 ちまき 柏餅 鯉のぼり 甲鎧 菖蒲湯
7月7日 七夕    星祭 笹竹に短冊を吊るす
昔は衛生環境も栄養状態も現代に比べて格段に悪くて疫病も多く、幼児死亡は非常に高率で、現在では見られなくなった疱瘡は天然痘とも呼ばれて罹って当り前だっただけに、子供が無事に成長してくれるよう親は必死に願ったことでしょう。必然的に神仏への願いの催しが行われてきたと思います。                                              
伝染病の隔離病舎は各市夫々設置され、宝塚市も現在の検診センターの地に昭和40年代初めまで使われていました。古い急性伝染病は通常見られなくなりましたが、新型インフルエンザやノロビールス感染等新型伝染病も油断なりません。手洗いうがい等簡単な予防を日頃から心がけましょう。