眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

(受付)午前8:30〜 午後2:00〜 (休診)土・日・祝祭日・年末年始 ご予約・お問い合わせ0797-72-6586

広辻眼科マンスリー 第m10

投稿日 2006年12月1日

今年も愈々年末を迎えました

理事長 廣辻逸郎

月師走に入りました。皆様今年一年は如何でした。
ご家族に結婚・出産等のおめでたのあったお家もありましょうし、逆にお身内を亡くされたたり、思わぬ大病に病床で苦吟された方もおられましょう。誰もが無病息災元気で仕事に勉学に励みたいのに、叶わぬことそれが現実であります。
今年もすでに何人もの方から忌中で年賀を欠礼しますの葉書を頂戴し心を痛めます。
さて新聞テレビでは『いざなぎ景気』を越す好景気が続いていると報じられていますが、実感は全く反対です。
扶養控除や老人控除が無くなって、保険料から、所得税も値上がりし、医療費負担も所得によっては1割から3割と3倍に値上がりしました。勢い受診も控え勝ちになっています。一方国や自治体の無駄使いは腹立たしい限りです。
更に学校でのいじめや子どもの自殺。そして実父母による子どもの虐待や殺人には目を覆いたくなります。
北朝鮮の拉致事件はなかなか解決しませんが、イラクの自衛隊の駐留は無事故で帰国できました。
田辺聖子さんの朝のテレビ『芋たこなんきん』は私達の過ごした生活より随分裕福ですが、戦前の日本人の心の美しさが語られていて好感がもたれます。応召される店員が仕事場にお辞儀をして出発する姿はとても心を打たれました。
色々と厳しい世の中ですが、戦争も無く、豊な食べ物や冷暖房で快適に過ごせるこの平和に感謝して、いたわりと優しさの溢れた豊な心の持主でありたいものです。
そしてこの平和な心であることが体の健康につながる事を思い繋げて来年もいい年であります事を願っております。

健康とは! 体内時計のリズムを整えましょう

節季と言う言葉を知らない方もおられるかもしれません。季節の終わりという意味の他に、盆暮れの商家の総勘定・支払いを指します。落語でも大晦日に借金取りから逃れる話があります。借金も支払い、大掃除をして気分新たに新年を迎えました。
子ども達も大晦日は、明日はお正月だ。枕もとに新しい肌着や服をたたみ、接ぎのない靴下も用意して眠ります。最近のように、衣食住満たされて、暮れはクリスマスプレゼント。正月はお年玉を貰うだけ。新年を迎えると言うより、正月は一週間前後の休日に過ぎなくなりました。地球温暖化や生活環境の変化で四季の移り変わりの体感もなくなって来ました。
体の健康もリズムが大事と言う事をお話したかったのです。規則正しい生活をしていると、体内時計が働いて、体の各器官が潤滑に働いてくれます。体調がいいときは、時間が来ると空腹を覚え、排泄も規則的で、夜も安眠出来ます。
定年退職された方で、通勤就業のリズムが変わって、体調を壊される方がまま見受けられます。
通勤電車にもまれ、会社では色んな上役・部下に接し、成績も上げなければならなかったでしょう。
そのストレスから開放されて、家庭に入られたら余りのギャップに心身共に大影響があって当然でしょう。退職後無事5年過ごされた方は大方年金生活をエンジョイされているように思います。
体内時計のリズムを整えて健康に過ごしましょう。

眼は体の窓です

眼は心の窓と言う言葉はご存知でしょう。喜怒哀楽の心情が眼に表れると言う事で、文学的表現でなく、医学的にも証明されます。今日は身体の病気の診断に眼科の検査が重要であることをお話します。
糖尿病
日本では現在750万の患者がいると推定され、予備軍を入れると1000万を越しましょう。小児糖尿病患者も問題になっています。食生活やライフスタイルが欧米化してまだ増える傾向があります。なぜ問題かと言うと糖尿病が原因で起こる合併症のうち、糖尿病性網膜症が中途失明原因の第一位になっているからです。
働き盛り、社会の中心的重要地位を占める年代で失明する事は大変な損失です。しかし糖尿病になれば全て糖尿病性網膜症になるわけではありません。血糖コントロールをしっかりすれば予防する事が出来ます。
糖尿病の方は必ず眼科検査を受けましょう。体の中で直接血管や神経の状態を見られるのは目だけです。小さな出血は自分ではわかりません。治療の基本は内科的血糖コントロールですが、眼科的には症状によってレーザー治療。さらに最近では進歩した高度の硝子体手術で治癒率を上げて失明の暗黒から逃れる事が出来るようになりました。
ともあれ失明につながる糖尿病を軽くみないで家族ぐるみで治療して下さい。
糖尿病があると白内障も進行しやすいことを付記します。
高血圧症
血管を直接見られるのは眼底だけと先に述べました。詳しい理論は省きますが、高血圧が動脈硬化を引き起こし、脳卒中・心筋梗塞・腎不全につながってきます。その血管の状態を観察し、内科の治療の参考意見を提起しております。眼底検査も検眼鏡検査だけでなく、蛍光検査でより詳細な情報を取ることが出来ます。市の成人基本検診で、手続きをすれば無料で眼底検査が受けられます。
腎炎
腎炎も糖尿病同様眼底に網膜症を起こして、失明につながっていました。しかし血液透析治療が広く行なわれて、腎炎性網膜症も激減してし、失明から救われる時代になりました。
脳腫瘍
脳から12本の脳神経が出ているだけでなく、体の機能の中枢は脳です。従って脳の病変は体の色んな機能障害を引き起こします。眼にも症状が出てまいります。
眼球の動きが悪くなって、物が二つに見える。複像でどの神経が侵されているか、眼瞼下垂や瞳孔の大きさや動きの異常。更に視野が欠ける視野異常を診断することで脳の腫瘍や出血を推定し、早期治療で大事に至らずに済ますことがあります。
血液疾患
白血病など血液疾患でも特殊な出血を眼底に認めます。
その他
ベーチェット病・ザルコイドージス・原田氏病・シェ-グレン症候群・スモン・甲状腺疾患・梅毒その他全身疾患と関連して、眼にも症状が出て診断・治療に大きな関係があります。