眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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眼の病気 No.e75

投稿日 2014年8月20日

メヤニの出る病気

院長 廣辻徳彦

毎日暑いですが、夏といえばプールですね。この年齢になるともはやプールに行く元気も(時間も)ありませんが、子供たちにとってはやはり夏の楽しみの一つかと思います。しかし、結膜炎などになってしまうと感染予防の点からせっかくのプールも禁止させていただくことになります。今回は結膜炎をはじめ、メヤニが症状の一つになるような病気をご紹介します。
結膜炎という名前は、おそらく誰もが聞いたことのある病気だと思います。結膜は白眼の表面とまぶたの裏側を覆っている粘膜で、身体で言えば皮膚にあたるところです。眼球を外界から守る役割をしています。結膜炎とは、文字通り結膜が炎症を起こす病気ですが、ウィルスや細菌などによる感染性結膜炎、スギ花粉などによるアレルギー性結膜炎、涙が少ないことで生じる乾性角結膜炎(ドライアイ)や外傷性薬剤性など、原因別に分類されます。中でも特に感染性結膜炎では、結膜からの分泌物が増えるのでメヤニが多く出ます。寝ている間には特に分泌物がたまってしまい、起床時にまつげの周囲にべったりとメヤニがついてしまいます。感染性結膜炎の中で特に気をつけないといけないのは、「はやり目」と言われる流行性角結膜炎、「プール熱」と言われる咽頭結膜熱と「アポロ熱」(1969年のアポロ11号の時に流行ったからですが、今の時代では通じないかもしれません)と呼ばれる急性出血性結膜炎です。流行性角結膜炎と咽頭結膜熱はアデノウィルス、急性出血性結膜熱はエンテロウィルスというウィルス感染で生じます。特効薬がないので身体がウィルスを退治するのを待たなければなりませんが、メヤニを少なくする、充血や腫れ、痒みを押さえるという意味で点眼薬を使用します。感染の予防には手洗いが有効で、タオルも同じものを使用しないなどの注意も必要です。(図1:ウィルス性の結膜炎)
まぶたの中にある分泌腺や汗腺などに細菌が感染して生じる「麦粒種(めばちこ、ものもらい)」という病気では、たまった膿が外に出てくるとべったりとメヤニがまぶたについてしまいます。治療としては抗生物質で細菌を叩くか、膿を外に出す(排膿と言います)ように切開するかですので、自然につぶれて排膿すれば(=メヤニが出れば)治ってしまうのですが、結膜炎とは異なり人に感染したりすることはありません。
涙嚢という涙が鼻へ流れていく部分に炎症が生じる場合も、メヤニの原因となります。急性涙農炎の場合はメヤニよりも涙嚢部の腫れや痛みが主症状ですが、慢性涙囊炎では涙目と頑固なメヤニが主症状となります。涙が鼻へ流れにくくなってしまう鼻涙管閉塞症という病気に伴うことが多いので、涙嚢に水を流して洗浄するだけではなかなか完治せず、つまっている閉塞部を通すようにする外科的な治療が必要になることがあります。また、生まれつきのメヤニと涙目が主症状になる先天性鼻涙管閉塞症では、涙嚢部のマッサージや涙嚢部の洗浄、ブジーという閉塞部の開放術が行われます。(図2:涙嚢部の図(日本眼科学会HPより引用))
まぶたにある涙液を乾燥させないための油の成分を分泌するマイボーム腺という分泌腺の働きが、加齢に伴い悪くなる場合にもメヤニが生じることがあります。ドライアイの症状も伴うことが多いので、眼の周囲の不快感の訴えが多くなります。点眼薬だけでは簡単に治らないことが多く、洗顔時や入浴時にまつげにこびりついたメヤニをできるだけきれいに洗浄し、まぶたの縁の白っぽいメヤニを濡らした綿棒などで丁寧に拭き取るなど、自分で日頃からまぶた周囲のメインテナンスを行い続ける必要があります。慢性的に続いてしまうので、根気よく続けなければならないところがやっかいです。(図3:まぶたの縁とまつげについたメヤニ、図4:きれいに拭いたところ)
朝に、特に目頭側にころっとしたメヤニがついていることがあります。洗顔するだけできれいになり、その後日中にはほとんど出てこないような場合は特に治療するほどのこともありません。メヤニにもいろいろありますが、気になる場合にはご相談下さい。

メヤニの出る病気