眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m29

投稿日 2008年7月1日

暑中お見舞い申し上げます

理事長 廣辻逸郎

今年も愈々後半に入りました。年金問題が落ち着かぬまま4月から悪名高い「後期老人医療保険」が発足しました。福田首相が長寿老人医療保険と名称の変更を唱えましたが誰もついていきません。
戦後アメリカ占領軍の意向で大きく変えられたのは家族制廃止と教育改革です。
親を敬い、子を慈しみ、夫婦相和し兄弟仲良くという家族の基本は無視され、社会の変貌も激しいですから仕方のないこともありますが、家族揃ってテーブルを囲んで食事を取り、お茶の間で団欒することも珍しくなりました。NHK朝ドラの「瞳」が好評なのも大都市東京の下町での家族の日々や近所の付き合いに郷愁を覚えているのでしょう。それに昔は貧しいことは少しも恥ずかしくなく、近所同士助け合いました。現在これだけ衣食住の環境が良くなっているのに、家族はばらばら。そして連日のように親子や衝動的殺人が起きて胸を痛めます。
保険の基本は共同扶助です。しかし戦後の教育を受け、何一つ不自由のない裕福な家庭で育っていわゆる頭のいい子が官僚になって作った法律。特に小泉内閣時の日本の施策を作った諮問委員会メンバーはほとんどが米国の新自由主義経済を学んだ経済人です。米国の意向が随分と取り入れられました。医療保険も混合医療といって保険と保険のきかない自費診療を進めようとしています。これが認められれば新しい薬剤や検査機械の導入は医療費を増やさぬために絶対に保険診療から外されましょう。新しい薬品や検査機器は高価になります。老人は若者に比して発病率受診率が高くて当然です。勿論不必要な濃厚診療することはありません。いくつになっても気兼ねなく受診できる制度であって欲しい。今度の改正で夫婦も別々の保険に入らなくてはならないことも生じました.夫婦までバラバラにされました。一方保険料の計算時は家族合算されますから高額になります。こういうところは抜け目がありません。
礼儀正しく、信義を重んじ、勤勉にして言行に恥じることなかりしかと教えられた時代は今はるか、高名な料亭が不名誉な閉店廃業し、産地のすり替えで叩かれたり、テレビではバカを売物の若者が大口をあいて手を叩いて馬鹿笑い。それが高視聴率とは戦後教育も極まった限りです。戦後60年余色んな面で占領の影響が出てきました。

健康とは! 神様から頂いたこの命

朝起きて学校や会社に行く。あるいは掃除洗濯家事に精出して夜を迎える。何でもない平凡な毎日の営みが送れることの有難さをいつも感謝しております。通学通勤電車が脱線転覆すると誰が考えましょう。たまたま当日遅れて助かった人も、逆に一電車速く乗って災難にあった不幸な方もおられます。秋葉原の歩行者天国を歩いていてなぜ凶器に刺されなければならないのか。何事もなく平和なリズムで生活していた家庭もいっぺんに狂わされてしまいます。それ程でなくても急病で誰か倒れても大変です。私たち世代は激しい戦争にも生きながらえる事が出来ました。神様から頂いた命を大事にしましょう。
平生から健康は薬やサプリメントで得られるものでないとお話ししております。勿論病気に応じて適切な治療・投薬は欠かせません。最近衝動的と思われる凶暴な事件が連日報道されています。宝塚市内にも心療内科の診療所が10軒近く開業されていますからそれだけの需要があるのでしょう。昔も需要があったでしょうが無視されていたかもしれません。
先日新聞の囲み文で「昔世のため人のため。今は世のせい、人のせい」というのが載っていました。神様から頂いた有難い命です。しっかりと眼で耳で学び口で話し世のため人のため頑張りましょう。