今年も1年の終わり
院長 廣辻徳彦
今年も年末、12月になりました。巷では季節違いのサッカーW杯で盛り上がっています。今回のW杯は予選リーグでアルゼンチンがサウジアラビアに、ドイツが日本に、ベルギーがモロッコに負けてしまうという番狂わせが起こっています。期待された日本は2戦目でコスタリカに敗北し、次のスペイン戦で勝利しないと予選突破が難しくなってしまいました(考えてみればドイツに負けてコスタリカに勝っても同じ1勝1敗ですけれど)。人気でオリンピックを凌いでいる世界的スポーツの祭典の決勝は、12月19日の午前0時からです。月曜日の朝に眠そうな目をして通勤する人が多くなるかもしれませんね。
今年もいろいろな事件が起こりました。世界では何と言ってもロシアによるウクライナ侵攻が挙げられます。最近では東部の州でウクライナの領土奪還が報道されていますが、発電所などのインフラを狙うロシアの非道なロケット攻撃が続いています。ウクライナがロシア領土を攻撃しない(防衛戦争なのでできない)ことがわかっていて、零度以下に冷えるウクライナの冬を前に電力供給を断とうという卑劣な作戦です。11月で戦争開始から9ヶ月が経過しました。ロシアのごね得にならないような終結を望みたいところです。6月の参議院議員選挙前に起こった安倍元首相の襲撃も、まれに見る事件でした。それに端を発して元統一教会という組織がまだ勢力をとどめていることが徐々に明らかになり、選挙の票を得るためとはいえそのような組織と関わりを持っている政治家の多いことにも驚かされました。悪質な献金を規制するという救済法案も、実質的には抜け道がありすぎて役に立たないのではという指摘が多いところです。「宗教」問題は心の問題でもあるので、例えば教会への寄進や寺院へのお布施とどう違うのかを法的に定義できるのかは不透明です。それでもあのような組織と関わって人生や生活に困窮する人が数多くいるので、政治家の先生たちは少しくらい働いて欲しいと思います。英国史上最長の在位を記録したエリザベス女王もお亡くなりになりました(最長在位記録はフランスのルイ14世)。エリザベス女王の在位が長かったため、これまた世界最長の期間皇太子だったチャールズ皇太子がジェームズ3世として即位されました。イングランド国歌で「God save the Queen」と歌われていた「Queen」の部分も「King」へと変わっています。
今年も最後のひと月です、寒くなるという予報なので、身体に気をつけてお過ごしください。
健康とは!
健康について考えるときに、今年もコロナウイルス感染症の話題を避けるわけにはいきませんでした。コロナウイルス感染症は「COVID-19」と言われています。日本では2020年1月20日に横浜港を出港したクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客に感染患者が出たことで2020年から始まった印象ですが、2019年には確認されていたので3年が経過したことになります。現在の感染者数は日本と韓国などアジアで多い状況ですが、アジア以外の地域で感染が収束したわけではありません。日本での感染対策と世界での対策法とが異なってきているという状況のようです。カタールでも新規の感染者がいる中、W杯の観客席でマスクをしている観客はいませんし(日本のサポーターも含めて)、大盛り上がりで歌いながら歓声をあげています。世界ではすでにコロナ感染症をあるレベルで受け入れて、生活が以前の日常にかなり近づいているのではないかと思われます。ちなみにあのダイヤモンド・プリンセス号も、現在は豪華クルーズ船として各港を就航しているそうです。
感染者数が増加傾向の日本では第8波という表現も聞かれていますが、おそらく店舗の営業自粛などは求められなくなるでしょうし、実際に忘年会もやや自粛傾向にあるとはいうものの行われています。結婚式もほとんど通常モードになりつつある様子です。海外からの旅行者の受け入れを今更取りやめることもないでしょう。国民性と言っていいのか従来からマスクに抵抗がないせいか、日本でのマスク装用はまだ続くと思いますが、この3年間学校生活やクラブ活動に制限を受けた学生さんや自粛で困窮した飲食業や観光業の人々の苦労が繰り返されないように、コロナウイルス感染を受け入れつつ日常を過ごす生活に馴染んでいくのがいいのかと思います。
海外では感染しても隔離期間が不要とされる国もありますが、日本ではまだ隔離が必要です。仕事などに穴を開けたくなければ、感染予防に一定の注意が必要でしょう。現時点ではコロナ感染の診断がつけば医療費は免除されますが、永久に続くわけではありません。遠くない将来、治療費にもワクチンにも負担がかかると思われます。私は毎年インフルエンザワクチンの接種をしていますし、つい先日5回目のコロナワクチン接種も終えました。感染しない保証があるわけではありませんが、少しでもリスクを下げて健康を保ち(+治療費を節約し)、新しい年を迎えたいと思っています。