新学期(もうすぐワールドカップ)
院長 廣辻徳彦
8月が終わって9月から新学期、と半ば常識のように思い込んでいたのですが、最近の学校では2学期が8月中から始まるようです。大阪市内の多くの学校では8月最終週の26日に始業式があったとその日の夕方のニュースで放送していましたし、ここ逆瀬川の近隣の小学校では29日の木曜から2学期が始まりました。兵庫県と大阪府の公立小学校で始業式の日が違うことにも少しばかり驚かされます。大枠の教育課程というものは全国共通と思うのですが、昔のように「夏休みはとりあえず遊んで、お盆が過ぎてから8月いっぱいかけて宿題を終わらせる」、という甘い考えではやっていけないのかもしれません。
子供たちにとってはとても大切な夏休みですが、昼間も子供が家にいるので親御さんにとっては家庭の仕事が増える時期です。「夫婦は平等」とは言うものの、現実的にはお母さんの負担が大きくなり、子供が家にいればその世話をしたり、お母さんも仕事をしていればさらに多くの労力を費やしたりと、大変な思いをされることでしょう。私自身、子供が学校に通っている間、同じ仕事をしている妻にほとんどのことを任せていたので大変申し訳なく思っています。そのせいで現在の夫婦仲が悪くなっていることはないのですが、こういったことは後から何かで挽回することができません。子供が義務教育の間の夏休みは、特にお父さんも協力することを強くお勧めしておきます。最近の夏は日中35℃を超えることが当たり前になっています。日中はまだ油断できませんが、ようやく朝晩が幾分涼しいと感じられるようになり、夕暮れも早くなって虫の声も聞こえるようになりました。9月は夏の疲れを癒しつつ、秋を感じて過ごしていきたいです。
さて、今年は9月20日からラグビーW杯が日本で開催されます。4年前に南アフリカに大逆転で勝利した日本の試合は、おそらく全世界のスポーツ史上でも3本の指に入る大番狂わせといってよいでしょう。地上波では放送されなかったこの試合、夜中の3時にNHKのBS放送を夫婦で見つつ、地方にいて地上波しか見られなかった子供達二人にLINEのテレビ電話を使って中継を見せて大喜びしたのも思い出です。今回も予選プール突破が大きな目標ですが、もちろんとても大きな壁があると思われます。出来るだけ大きな声援を送って後押ししたいものです。私も日本戦ではありませんが、神戸で行われる4試合は観戦しにいく予定です。
健康とは!(お酒:アルコールの害)
アルコールの健康被害については、先月も書いたとおりタバコほど多く語られていないように思います。しかし、多くの健康被害が生じているのはご承知の通りです。
急性アルコール中毒は定義では、「アルコール飲料の摂取により生体が精神的・身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生ずるものであり、通常は酩酊と称されるものである」とされます。人にもよりますが、血中アルコール濃度が上昇することで、ほろ酔い状態からもうろうとした酩酊状態を経て、意識がなくなる昏睡状態になっていきます。悪くすれば、意識レベルの低下や血圧の低下と呼吸の抑制が生じたり、嘔吐によって窒息したりして死に至る場合もあります。新歓コンパで飲酒を強要するのはもってのほかですが、もし不幸にして急性アルコール中毒が疑われる時にはその人を一人で放置せず、場合によっては救急車を呼ぶ必要があります。意識がなくならないまでも、足元がふらついての転倒、車や電車への接触、人とのトラブルなど、注意しなければならないことはたくさんあります。
アルコールで有名なのは肝障害です。段階的には脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変という形で進行します。飲酒量が多いほど、長期に飲み続けていればいるほどそのリスクが高くなります。進行すると腹水の貯留や黄疸、食道静脈瘤による吐血などの症状が出ることもあります。ただ、アルコール性の肝硬変は断酒を継続すれば改善傾向がみられることもあるので、あきらめずに飲酒量を減らしましょう。すい臓に関してもアルコールとの関係が言われています。すい臓はいろいろな消化酵素や、血糖値に関係するホルモンを分泌しています。特に男性では飲酒によって急性すい炎が引き起こされることが多いようです。すい臓の消化酵素が自身の組織を消化してしまうことで、急激な腹痛、ひどい場合は出血や壊死、感染によってショック状態になることすらあります。すい臓への負担が常態化すると慢性すい炎となり、そのためにすい臓の機能が落ちると糖尿病が生じることもあります。胆石やストレス、過度の脂肪食もすい炎の原因となりますが、やはり飲酒を控えるのが一番と言えそうです。