『西郷どん』と『わろてんか』
理事長 廣辻逸郎
大河ドラマ西郷隆盛の舞台鹿児島に先月行ってきました。
島津公の別邸仙巖園の真正面に1117米の桜島が白煙を上げて威容を示しています。噴火で火山灰が降ったら大迷惑でしょうと思うのは県外人で市内の人は平気で受け入れています。桜島みかんは小さくて皺くちゃで灰を被ってまずいものと記憶していましたが今は美味しい大粒が店頭に桜島大根と一緒に並んでいました。
隆盛が滞留した指宿の隣地鰻温泉を観光したら地元のガイドさんがどれだけ西郷さんをほめたか。そしてどの家にも温泉の噴出口があって煮炊き出来る事。鹿児島はどこを掘っても温泉が出て温かく、野菜も果実もよくとれて美味しいと、そして西郷さんを心から尊敬していることを語りました。大河ドラマ冒頭の農民の貧困は日本全体がそうでした。百五十年たった現在日本国内どこへ行っても道路は整備され立派な家屋で貧困は見られません。源泉かけ流し豊富な湯量と美味しいおもてなしに満足して帰りました。
もう一つのドラマ『わろてんか』は地元大阪制作で吉本興業吉本せいさんをモデルにしているだけに余計に興味があります。ドラマですから事実と違っていて当然ですが、大正後半から昭和初期の興行界の変遷が描かれて興味があります。昭和の始め私が子どもの頃座敷で家族が寄り添って一つのラジオを囲み、笑ったり話し合いました。ラジオで漫才落語を聞いたら寄席に行かなくなると思ったのは事実で逆に寄席が賑わいました。TVが出た時も同じように球場や劇場・映画館に足を運ばなくなると声がありましたが杞憂に過ぎませんでした。しかしスマホの出現やAIの進歩で電話やラインで対話が楽になって手紙を書くことも、計算することも、辞書を引くことも無用になりました。暗算をしない。道路も覚えない。漢字を知らなくてもいい。食べて、寝るだけでも生きておられる。お金もビットコインのような仮想通貨が便利だと使われています。『西郷どん』も『わろてんか』も古い時代の話。では縄文時代の人達は毎日不便だ!不便だ!と叫びながら暮らしていたでしょうか。集落毎に弓矢を作って猟に出る組。釣り具を作って漁に出る人。一方土を捏ねて器を作る組。子ども達は騒ぎながら薪を探したり水汲みをしたであろう。そんな時代を想像するだけで癒されないでしょうか。
健康とは! 1月に大雪が降った
今年1月後半日本海側、東北・北海道に大雪が降ってニュースになりました。東京が-3Cが三日続いたと大騒ぎです。正確に記録をたどればこの程度の気温気候の変化は何回もあったはずです。昔と言わない10年前と現在と気象観測精度が随分と変っています。日本製の気象衛星が飛んで観測する時代です。
日本には四季があって『冬来たりなば春遠うからじ』とのんびりしていますが、炎熱・酷暑・干ばつ・大雪・洪水或は地震・津波を経験し大きな被害を受けた歴史を積み重ね、その経験を語り継ぎ対処してきたでしょう。現代はそれらの予測が相当正確にされます。遣唐使の時代、何艘の船が台風に遭って犠牲者を出したことでしょう。僧鑑真は何度遭難して日本にたどり着いたことか。安倍仲麻呂は30年の勉学を終えて帰国しようとして遭難し遂に故国の土を踏むことなく望郷の歌を残して亡くなりました。『天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも』ただ現代予知予測は出来ても台風・大雪を止めることは出来ません。地震学者は地震の危険性は分かってもいつ起こるか予知は出来ないと明言されている。草津温泉近くの本白根山の噴火も全然予測されていませんでした。桜島は大正3年の噴火で大隅半島と地続きになっています。大自然の力の前では人力の余りの弱さを思い知らされます。
寒波や降雪のせいで葉ものが高騰していると騒いでいます。しばらくして出回ってきたらトンと忘れてしまうことでしょうに。
野菜の人工栽培も盛んになって来ました。私は農業に従事してないので人工栽培についての知識は図上の知識ですから正確ではありませんが随分と進歩しています。人工光線もLEDを使用すると電力消費も軽減され色によって栄養価も変わるとか。天候に影響されないから価格も安定すると思います。私はサニーレタスを愛用しています。だが黒光りする大地の恵み、燦々と降り注ぐ太陽の恵みは無視できません。農家の人が精魂込めて育てた大地に太陽光を浴びて育った葉物・根菜類は格別美味栄養がたっぷりです。あの大きな青首大根が100円の値札は悲しい。200円で高いとは思いません。消費者は安価を求めましょうが生産者の労苦に相当する価格はあってもいいと思います。皆さん売場で必ず裏のラベル生産地が日本であることを確かめて籠に入れておられましょう。安心して購買出来ることを感謝し、持続を願います。