眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m3

投稿日 2006年5月1日

薬剤の後発品について

理事長 廣辻逸郎

四月の診療報酬の改定で診察料や薬剤費の引き下げがありました。その他に後発品の使用を促進する施策がとられ、テレビコマーシャルも頻回に放映されて、同じ効果の薬剤が3割~8割安く購入できると宣伝されています。
患者さんから後発品てどういうものでしょうかと質問もあります。
そもそも一つの薬品が臨床で使用されるまでには、基礎研究から動物実験・人体臨床実験と十数年からの日にちと数百億円の経費がかかり、それでも発売早々死亡事故があって発売中止になった薬剤もあります。最近では肺の抗癌剤イレッサが問題になっています。
後発品はこれらのリスクが少ないので価格が安くなります。
ただ主成分は同じでも附形剤が違ったり、点眼薬では防腐剤の濃度や添加剤が少し違う事もあります。
当院では学会誌や講演会で得た知識を基に主として先発品を採用しておりますが、後発品で効果の認められたものは勿論採用しております。
後発品をご希望の方お申出下さい
薬剤に限らず、事務受付・診療についてもご遠慮なく医師に言って下さい。

健康とは! ストレスについて

ストレスという言葉は皆さんよくご存知と思います。精神医学では『ストレスとは何らかの刺激が加えられた時に発生する生体のゆがみ』と定義されているとある精神科医は述べておられます。
『心のエネルギーを奪うもので、周りに変化が起こった時は、自分にストレスがかかるかもしれないという警戒警報をだしましょう。更に病気やトラブル別れなど嫌な事悲しいことだけでなく、昇進・入学・就職など一見めでたいことやうれしい変化も要注意』と述べておられます。
以上精神科医はストレスを非常にマイナスイメージで捉えておられます。眼科の診察でも患者さんが『仕事のストレスで眼が痛い』『色々と家のことで眼精疲労がある』と訴えてこられる方があります。
数学の方程式が解けてうれしくないですか?漢字テストが万点取れて嬉しいでしょう。会社の仕事が捗ったら、契約が取れたら万歳しませんか。自分の知らない事を教わって智識を増やせて悲しいですか。一日おしゃべりもせず、他人と接触しなくて淋しくないですか。
私は外界との刺激をプラス思考することをお勧めしたい。
私達の体には自律神経(感情神経)支配もあって健康について話する時避ける事は出来ませんが(詳しくは別に譲ります。)少なくとも毎日の生活、学生であれ会社員であれ主婦も定年退職者もプラス思考で前向きな生き方をしてみませんか!
神様から頂いたこの体です。明るく楽しく生活して健康に長生きしましょう。
健康は薬・サプリメント・ジムとお金を掛けないと得られないものではありません。

目の病気 角膜篇 1

角膜は眼球の前面で時計皿のような凸面を外に透明な組織で強膜という丈夫な組織につながって眼球の外壁を作っております。
透明な組織ですが、後の虹彩の色が透けて見えるので、日本人は黒目と言います。
西洋人は虹彩の色素が少なくて青く見えるので青目といいます。
角膜の厚みは約1mm 直経約11mmで前述したように透明で血管が通っておりません。1mmの厚みに5層の組織で出来ております。
血管が通らなくてどうして栄養されるか。それは角膜の周囲からの血管と角膜と虹彩の間に房水というリンパ液で栄養されています。更に涙液中の酸素を表面から取り込んでおります。
角膜に限らず、神様の作ってくださった体のどの部分にも創造主の細かい見事な仕上がりが見られます。
角膜の病気とその対処法はこれら角膜の組織(解剖)と働き(生理)を理解すると自ずと理解出来ます。
角膜異物
眼にゴミが入ると涙が出ます。痛みの信号と涙で異物を外へ出そうと生体の防御反応が出ます。鉄片は錆が出て角膜組織に入ります。ゴミと一緒に細菌感染の危険があります。早々に眼科医を訪ねましょう。
草刈機で除草中に石に当って、石の破片でなく、草刈機の刃が欠けて角膜を直通して眼球内に入っている事があります。勿論この時は白内障を起こします。
薬品の飛入
パーマ液やヘヤートニック。スプレー液が間違って入る事があります。
年に何回か水虫の治療薬を目薬と間違って点眼して夜間時間外診療を依頼される事があります。奥さんの膝に枕してたっぷりと水虫薬を点眼して、それも中国製の強烈な液で、激痛を訴えて飛んでこられた患者さんは忘れられません。
薬品が入った時は直ぐに水道水で洗い流す事です。アルカリ性の薬品は酸性液より角膜への影響が強いので要注意です。
角膜潰瘍
角膜に深い傷がついて、そこから細菌やカビ類放線菌などが感染して失明にいたる事があります。抗生剤の発達で治療しやすくなりましたが、耐性菌の問題もあって軽視できません。最近はコンタクトレンズの安易な使用で重症になることもあります。眼とCLについては改めて記述します。
ヘルペス性角膜炎
角膜にヘルペスが感染する事があります。樹枝状に潰瘍が出現し、濁りが残る事があります。初期に診断して、適切な薬剤を使用することで角膜に混濁を残さずに治癒します。最近も異物感があるのに3~4日放置して来院した患者さんがありました。ゴミでも入ったのだろうと、安易に手元の目薬を使用して来院時にはやや進行していた症例です。
最近普段かかっている内科や耳鼻科の先生に目薬を出して欲しいと言って、点眼薬を処方してもらう事例がありますが危険です。もちは餅屋と昔からいいます。
ドライアイ(乾燥性角結膜炎)
最近終日パソコンの使用する事務が多くなったことからドライアイの患者さんが確かに増加しております。若い人だけでなく、高齢者にもよく見られます。環境汚染も関連しているのでしょうか。まぶしい 疲れる ころころ ごろごろする 目が赤い 重い等々 多種多様な訴えがあります。検査をすると角膜表面だけでなく、結膜にも細かい傷があったり、充血が見られます。点眼薬を使用してもなかなか治らないこともあります。ソフトコンタクトレンズを使用の方は特にレンズ表面から涙(水分)が乾燥しやすいので、再々涙成分の点眼薬を使用することが必要です。