眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m51

投稿日 2010年5月1日

無駄ということ

理事長 廣辻逸郎

第2回目の事業仕分けが始まりました。何が有用で何が無駄かは見る側によって判断が異なりましょうから一概に言えませんが、官僚の天下り先での高給と渡り毎の高額の退職金は無くしてほしいです。
公共の場は予算が決められて一円の流用も許されませんが、私達の生活では、融通という名で許されています。山内一豊は奥さんの臍くりで出世しますが、そんな大金でなくてもお互い暗黙の了解で家庭の平和も保たれていると思います.しかし、最近は給料も振込ですし、景気も悪くて融通が利きにくくなりました。『へそくり』外国にもこれに類する言葉があるのでしょうか。
約五十年前に住宅公団が公団住宅という鉄筋コンクリート高層マンションを建て戦後の日本人の住宅意識をすっかり変えました。2LDKで水洗・風呂付。高人気で中々抽選に当たりません。公団住宅の特徴は計算されつくして一切の無駄がないことです。玄関は靴を脱ぐ広さだけです。勿論廊下はありません。
日本家屋は縁側や廊下があって当たり前でした。縁側が外から来た人の団欒の場であり、時に月見の宴の場にもなりました。
着物も洋服も遊びの分があってきれいに着こなせると聞きます。自動車のブレーキも遊びがあってうまく作動すると聞いた覚えがありますがトヨタの車はどうだったのでしょう。
私達の生活を見まわして挨拶も趣味も教養もなくて生活出来ますし、草花の名を知らなくても構いません。そんなものみんな無駄と言えなくも有りません。乗り物の切符も飲み物も自動販売機ですむので無言ですが、一般の窓口で「こんにちわ」[ありがとう」と挨拶する人が少なくなりました。読書しなくても、食べ物をわしつかみして頬張っても食べられるけれども食事の作法は守りたいです。人間の社会生活は無駄なことの集積でこそ円滑に営まれるのでないでしょうか。

健康とは! 鯉のぼり

私たちの世代は♪甍の波と 雲の波 若い人達は♪やねよりたかいこいのぼり と歌い、武者人形の飾られた部屋で、父や兄に新聞紙で兜の折り方を教わり刀を振り回して遊びました。菖蒲湯に浸かり、おやつはちまきでした。都会では五月晴れに泳ぐ鯉のぼりを見ることも少なくなりましたが、ひたすらこども特に男の子の無事な成長を願ったものです。
現在でこそ無事出産をすませたら大きくなって当たり前のように思われがちですが、日本の乳児死亡率は昭和25年6%35年3%45年1.3%平成17年に0.3%と低下して来ました。因みに世界平均5.5先進国0.8後進国7.4%で日本は世界一低い死亡率です。栄養・生活環境の改善によるものでしょう。私達高齢者の世代は兄弟も多かったですが、急性法定伝染病や消化不良症での死亡が多数でした。私も兄や弟がジフテリアや疫痢で入院し、家の中を役所の人が消毒に来た覚えがあります。どの市町村にも隔離病舎がありました。宝塚市も今の保健センターの場所に昭和40年後半まで設置されていました。どんな母親でも子どもが熱発するとまず喉を見て苔(白い膜)がないか診ました。ヂフテリアだとほっておけないからです。
死亡率は最低ですが、残念ながら出産率も最低で年間100万人です。毎年学校検診に行きますが,たくましい子が少なくなって線の細いうイケメンばかり。もっとごんたな子がいないと愈々年寄りばかりの国になってしまわないか心配です。滝を登って龍になるそんな元気な鯉になーれ!