眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m35

投稿日 2009年1月1日

新年雑語

理事長 廣辻逸郎

新しい年を迎えて「さあ今年は!」という気持ちになったのは幾つくらいまでだったでしょうか。逆に加齢と共に、今年一年も元気にしておれるだろうか、無事に過ごせるだろうかと口惜しいけれど甚だ保守的になって来ています。
過去が長く未来が短いのが老人ではありますがまだ未来に未練もあります。宇宙旅行をしたいとは思はないけれど、名古屋東京間のリニアモーターカー開通まではいやいや矢張り乗ってみたいなあ。まだ自分の無知を恥じることも多く、気に入った一枚のフイルムも撮りたい、深みのある一句を詠みたいと願う。新しいことに挑戦し、勉強したいことが一杯あるんですが記憶力の減退、感性の衰え如何ともし難い。所詮仏様の手のひらの上でちょこちょこする自己満足に過ぎないちっぽけなことばかりだけど、それが欲というものか、業というものでしょう。
それにしても矢張り若い人は羨ましい。きれいで、オシャレで、お年寄りばかりと話をしているよりずっと楽しい。しかし向こうが相手にしてくれません。平原綾香の歌が素敵だなあと思っていたがもっと若い子が出ています。演歌は古いなと思わされます。先日ラジオで若者達ばかりで,和歌の選評をしていましたが、新鮮な表現に驚き羨ましかったです。恋の歌もちっともみだらでなく卒直に訴えています。テレビで馬鹿を売り物にしているのも居るけれど色んな分野で頑張っている若者も沢山いて日本も安泰です。
女性に歳を聞くのはご法度と言いますが私も歳を聞かれるのは何か嫌です。どうせ聞いた人もずっと覚えているわけでもないから、「ああ家に忘れて来ましたわ」と言って話を逸らします。色んな書類から明治Mが無くなった。そのうち大正Tも消されてしまいましょう。と言いながら平成Hの次の年号まで生きていて知りたいと思います。
老人も後期高齢者医療や年金で不満をいっぱい言っていますが、若い人達に少しでも面倒を掛けぬよう努力しましょう。

健康とは! おせちに見る先人の知恵

11月に入ると早々にデパートのおせちの広告が始ります。そうして何万円もする高級店の高級クラスから売り切れになっていくようです。年と共にお正月らしさは無くなって淋しい限りです。
正月だからと言って肌着から衣服・履物まで新調してもらったなんて話はそれこそ後期高齢者にしか通じません。食べ物も同じです。平素は粗食を余儀なくされていましたが、お正月3ケ日は普段口にしないご馳走が食べられました。ただ食べるだけでなく、普段忙しい台所仕事から女性を解放してゆっくり休んでもらおうというねぎらいの心もありました。冷蔵庫も防腐剤もない時代ですから保存食でもありました。最も昔は気温も低いし、部屋の暖房も殆どなくて保存しやすかったことは事実です。おせちは栄養・休養そして保存食です。
魚・野菜・果実類をめでたい、まめ、出世、子宝、財を増やすなど縁起を担ぎながら火を通したり、酢を使ったり、また南天・葉蘭や笹の葉の防腐消毒作用を利用して4段5段の重箱を上手く詰めていきました。年末紅白を聞きながら祖母・母・娘の三代が教え教わりしてその家の伝統を受け継いで「おせち」を作る情景も年々少なくなって来ました。寄宿していた伊勢の家では大きな鍋に3ケ日分雑煮用の味噌汁を作っていました。
暖房のよく聞いた部屋で、防腐剤の入った高級料亭のおせちにちょっと手をつけて、孫の喜ぶ焼肉・蟹鍋・しゃぶしゃぶでお正月。家では面倒と海外やレジャー地で過ごす人も増えました。
にらみ鯛を真中に、ごまめ・数の子・黒豆・昆布巻・紅白の蒲鉾・里芋蓮根鶏肉人参等の煮しめ・鰤の焼魚・栗きんとん等重箱や毎年決まった器から取り皿にとって、今年のおせちの出来を話しながら元旦を祝うのも我が家でも何時まで続くことだろうか。