眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療法人社団 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m204

投稿日 2023年2月7日

2月―冬から春への季節  

院長 廣辻徳彦

1月末に、10年ぶりと言われた大寒波が日本列島を襲いました。クリニックの前の道路は北向きの坂になっています。逆瀬川の周辺は雪が積もることがほとんどなく今回はどうかと心配していたところ、久しぶりに路面が凍結してしまいました。歩道とクリニックへのスロープは、建物の陰のため氷が溶けにくく特に滑りやすくなってしまい、午前中は道路も車がスリップして坂を上れなくなっている状況でした。融雪剤を散布していただいたおかげで午後からは通行可能になりましたが、備えが十分でなかったことを反省させられました。融雪剤や路面凍結防止剤は、北の地方では道路脇に備えられています。どういったものかというと、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの塩化物質だそうです。塩化ナトリウムはご存知「食塩」の主成分ですし、塩化マグネシウムは豆腐作りに使われる「にがり」の主成分です。濃度によっても異なりますが、これらの塩化物質が溶けた水溶液(塩水)は凝固点(氷点)が普通の水より下がります。おおよその凝固点は、塩化ナトリウムでマイナス20度、塩化カルシウムでマイナス50度、塩化マグネシウムでマイナス30度ぐらいなので、これらを撒けば雪が積もるのを防いだり、氷を溶かしたりしてくれるのです。塩化カルシウムは凝固点が低く初期には発熱効果もあるため、すでに積もった雪を溶かす、凍結した道路に使用するのに適しています。塩化ナトリウムと塩化マグネシウムは効果に持続性があるので、雪が積もる前や凍結防止に使うと良いそうです。よく考えれば自宅の「食塩」を撒いてもよかったわけですが、台所に塩を何kgも置いているわけではないので、やはり備えが大切ということなのでしょう。
2月の前半はまだまだ寒い気温が続きます。雪道で運転せずにすめばいいのですが、仕事や物流のためせざるを得ないこともあります。ただ、雪道では先行の1台が動けなくなるだけで、後続車がすべて動けなくなってしまいます。数時間も車内に閉じ込められるなど普段は想定しませんが、最低限の水や非常食、携帯トイレやスマホ用のバッテリーなどは備えておくべきなのかもしれません。ただ、寒いとは言っても立春を過ぎれば梅の開花だよりも聞かれるようになり、アレルギーの人にとっては大敵のスギ花粉の季節もやってきます。一年で最も短い2月ですが、冬から春へと季節の変わり目を感じられる時期でもあります。気温の変化などで体調を崩さないように気をつけながら、春を待ちたいものです。

健康とは!

2月には24節気の一つである「立春」があります。24節気とは1年を春夏秋冬の4つに分け、それぞれをさらに6つに分けて「節(または節気)」と「中(または中気)」を交互に当てはめて季節を表すものとされています。立春は旧暦1月の節(節気)で現在の暦では2月4日ごろとなり、春の始まりとされます。旧暦1月の中(中気)は「雨水」で、雪氷が雨水に変わり、寒さが峠を越えて春一番が吹く頃とされています。立春の前の日は「節分」とされ、豆まきなどをして邪気を払う行事をします。節分は24節気と同じように季節の変わり目を示す「雑節」の一つで、元々は立春だけでなく立夏など四季それぞれの前日を節分と呼んでいました。旧暦では立春が1年の始まりであり、その前日が大晦日にあたり一番重要視されたため、現在では立春の前日だけが節分と呼ばれています。
 昔の人は悪い病気などの原因が誰かの嫉妬や怨念などの影響と考えたり、もののけのような悪いものの仕業と考えたりすることがありました。平安時代には大晦日(=旧暦の立春前の節分)に追儺(ついな)という鬼祓いの儀式も行われていて、その後それに豆まきという要素が加わり、現在の節分の豆まきに引き継がれているということです。邪気(邪鬼)を払って福(健康、富)を招くこの行事は、今では成田山新勝寺や幼稚園でのニュースなどでしか見かけない気もしますが、健康を保つのは大事なことなので、意味を知ると験担ぎに豆まきをやってみてもいいように思いました。
 健康といえば、私も時々ジム通いをしています。短時間でも時間を作れば行けるところを、意志が弱くてしっかり通えていないところが問題です。最近、とても体格のいい人がジムに来ていることに気づきました。プールで泳いで、サウナに入って水風呂に浸かり、ジムの中でもルーティーンに見える行動をされています。おそらく野球ファンなら誰もが名前を知っている元プロ野球選手なのですが、無駄なく行動される姿を拝見するとさすが元プロであると感じました。今シーズンから現場に復帰されるのでキャンプが始まればお会いすることもなくなるでしょうが、少しはその人に倣って短い時間でも体を動かすようにしなければと思っています。もっとも、ちゃんとダイエットなり筋トレができる人は、家庭でも少しの時間で体を動かしたり体操をしたりすることで体形を保っているようです。「ジムに通わないと」とか言っている時点で、自分に負けているのかもしれません。