眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m175

投稿日 2020年9月2日

新政権への期待と不安  

院長 廣辻徳彦

毎日コロナウイルス感染症の患者数が報道されています。東京での新規感染者数が連日200人を超える事態が続くと、それが普通という感覚になってしまうほどです。確かなワクチンが開発されて多くの人に接種できるようになるまでは、どこで感染が起こってもおかしくない状況です。それでも、感染した人を非難したり、おかしな風評を広げたりなど、意味のないことをする人もたくさんいます。コロナウイルス感染だけでなく病気になる人を気遣い、労わりあう社会になって欲しいものです。
病気といえば、安倍首相が健康問題を理由に退陣することが発表されました。潰瘍性大腸炎は難病にも指定されている疾患です。最近でこそ効果の高い薬でコントロールできるようになってきていますが、過度のストレスなどが引き金になって重症化することもあります。第1次政権の時にもこの病気で退陣されています。さまざまな難しい局面で対応をしながら薬とともに乗り切ってこられたのでしょうが、さすがに限界が来たのかもしれません。安倍首相といえば「モリカケ問題」などお友達には甘いと言われ、周囲の官僚もそれに忖度しているとか、ファーストレディである昭恵夫人の奔放な振る舞いをコントロールできない、沖縄の基地問題も解決していないなど、良くない評価も数多くありました。具体的に進むことはありませんでしたが、憲法改正などの発言も多くされていたようです。アベノミクスも成功したのかどうかよくわかりません。しかし、個人個人では満足できない面が多いのも確かですが、在任期間中に東日本大震災の後に落ち込んだ日本の経済がある程度立ち直り、外交でもそれなりの存在を示していたように思います。沖縄問題はいつかの政権(鳩山総理)が「基地は県外へ」という大嘘をついた結果迷走しているので、安倍首相に責任を問うのはかわいそうな気もします。政権の否定をしていれば仕事になる気楽なコメンテーターたちは、失策が多かったと批判するでしょう。私は安倍シンパではありませんが、経済、外交、防衛、災害への対応など、歴代の首相の中で及第点をあげたいです。「日本の首相は誰ですか」と問いかけた時に、外国の人にも「シンゾー・アベ」と認められる活動をされ、それなりの存在感があった首相だったかと思います。
コロナ対策や開催できるかどうか不明な東京オリンピックなど、難問ですが政治家であれば自分で取り組みたい課題を前にして任期途中で舞台を降りるのは苦渋の決断だったと思います。さて、次の総理は来年の任期までどう取り組んでくれるのでしょうか。期待より少し不安が大きいような気もします。

健康とは! (病気になった時)

病気になりたくてなる人はいません。病気になれば、仕事や学業を休止しなければなりませんし、楽しみにしていた旅行や大事な予定を変更しなければならないこともあります。小さなケガから命に関わる病気まで様々ですが、普段の生活に影響を与える要素が健康問題です。今回の安倍首相の潰瘍性大腸炎は、いわゆる「難病」に指定されていて下痢や下血を繰り返し、腹痛や貧血の症状が出ることのある病気です。内服薬でコントロールできる場合も多いとはいうものの、重症になると手術が必要なこともあります。症状が消失して寛解する場合もありますが、再発も多いので継続的な経過観察や治療を要します。一国の総理大臣という重責の中でこの病気と付き合った来たということは、かなりの時間を治療に費やしてこられたのだと思います。先月から目の病気に書いている「網膜剥離」も、放置すれば失明に至る病気です。手術手技と器械の性能の向上に伴い、手術時の負担は少なく入院期間も短くなっていますが、発見されて何日も放置できるものではなく、仕事や学校を急に休んでそれ以後通院する予定を緊急に立てなければなりません。まして、命に関わる脳出血や心筋梗塞などでは、すぐに搬送されて治療に当たることになるので、引き継ぎなどができないことがしばしばです。
 病気になるのは、誰にでも起こることです。どうしてもという仕事や試験など、治療より優先させたいこともありますが、自分の身体と秤にかけた時に、自分に勝るものはほとんどないと言っていいでしょう。病気になれば治療に専念できて、周りがそれをできるだけサポートする世の中であって欲しいと思います。コロナウイルス感染でも感染した人が謝罪するということがしばしばあり、これは本当におかしなことです。匿名でチラシを貼ったり、SNSを使ったりして本来護られるべき感染者を非難する人がいるのには驚かされます。健康でいるときは、ついつい自分は病気にはかからないつもりで生活していますが、そうとは限らないのが人生です。生活の中で健康に気遣うのはもちろんですが、定期的に健康診断を受ける、コロナウイルスに対してなら三密を避ける、万が一の時のためにある程度の保険を考える(金銭的なことも大事なので)など、還暦を前に改めて考えてみるこの頃です。