眼の健康とコンタクトレンズの専門医 医療社団法人 広辻眼科

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広辻眼科マンスリー 第m152

投稿日 2018年10月1日

十月を満喫しましょう

理事長 廣辻逸郎

今年の夏は格別暑く猛暑日が続きました。9月に入っても度々襲う台風と大雨続き、更に北海道では震度7の地震で全道が停電したり、山崩れで多数の犠牲者が出ました。液状化で地区一帯家が傾向いて避難を避けられない気の毒な方も多数ありました。やっと十月の声を聞きます。天高く爽やかな晴天のもと外に出かけましょう。小学校中学校からは運動会のマーチが流れて来ます。運動会を一学期にして秋は音楽祭の学校もあります。私は小学校は大阪でしたが運動会は甲子園に広い運動場があって(現在甲子園浜海浜公園)そこで運動会が開かれ、終わると父兄と阪神パークで動物園を見たり遊具で楽しんで帰りました。休日校庭で少年野球やサッカーをする子ども達の歓声が聞かれるのは嬉しいです。スポーツだけでなく秋は芸術の秋です。
『奈良正倉院展』は今年も十月末から開かれます。
大阪中之島の東洋陶芸美術館の『高麗青磁ヒスイのきらめき展』は国宝級の高麗青磁で絶対見逃せません。
丹波の兵庫陶芸美術館の『河井寛次郎展』も寛次郎氏の作品が一堂に集められた滅多にない展覧会でしょう。河井氏の早期から独創的で一目で氏の作と分かる絵付け形態に引き付けられます。柳宗悦・浜田庄司氏等と民藝運動をリードされ、文化勲章も辞退して京都五條坂の住まいで作陶や彫刻に専念された。美術館を出て田園に囲まれたコスモス揺れる丹波焼立杭の里を散策するのも一興でしょう。素敵なスナップの一枚が撮れるかも。
アベノハルカス美術館で『太陽の塔展』が開かれています。日本人の半数以上が押し寄せた1970年の万博会場の太陽の塔は目を見張りました。岡本太郎氏の「芸術は爆発だ」のことばそのまま氏でなければあの塔は建てられなかったでしょう。高さ70m横50m人類の進歩と調和をテーマに。塔の内部は赤色で血液を表し血が巡る生命の樹に生命の尊厳を表していると説明されます。万博が終わって取り壊す話も出たのですが、塔のかもす力に取り壊すと手を上げる業者がいなかったと現在岡本太郎記念館館長をされている平野氏が話されていました。
宝塚市内のカメラ同好会メンバーが参加の『オール宝塚写真展』も10月18日~23日まで南口文化センターで開催されます。お出かけ下さい。私も一枚出展しております。ご笑覧を。

健康とは! 健康ということは廣辻逸郎

皆さん神社やお寺にお参りした時まず『家内安全病気をしませんように』とお願いしましょう。大阪の商売人でも『商売繁盛』は1月10日の戎さんの日くらいです。それ程病気せぬよう、怪我せぬようにと願います。誰も病気にかかりたくはありません、怪我もしたくありません。でも突然或いはじりじりとお腹が痛くなったり膝が傷んだりします。何もなしで当り前でなく、何もおこらずに済んでいることはとてもありがたい事なのです。普段呼吸をしていると意識しておりません。でも急に閉じ込められて息が出来なくなったら数分も我慢できません。死につながります。空気のありがたさ、呼吸することの大事さを改めて思い知らされます。何も意識せず見て聞いておしゃべりして、食べて、歩けることは当り前ではなく、とてもありがたい事なのです。『ありがたい』は『有り難い(難しい)』ことなのです。生きる以上人間は絶えず危険にさらされています。天災・人災戦争もあります。病原体による感染もあります。同じものを食べても大腸菌感染で下痢する人もあり、なんでもない人もいます。平素から体調を整へておれば菌力に負けず発病せずに済みます。流感も同じです。抵抗力免疫だけでなく、自律神経のバランス心の調整も健康の基本です。人間誰もが癌に限らず高血圧・糖尿など病気の種を持っており、その種が伸びようとするのを抑えるのが日頃毎日の生活です。食事・睡眠・人間関係を大事にしましょう。少し寄り道しましよう。ありがとうは有難うと前述しました。嬉しいは女性が喜んでいます。男は顔に出しません。悲しいは心あらずです。(漢字は表意文字とも言われます)
何時も記しておりますが身体は頭のてっぺんから足先まで全く無駄なく巧みにつくられており、心が全身につながって心身一体になって行動しております。ご馳走を前に楽しい話をしていたら、唾液の分泌もよく、胃腸の動きも活発で一層美味しく食事が出来ます。争いや心配事があってはどんな食事も砂を噛むような思いでしょう。高齢を重ねるほど感性は鈍くなりますが、視覚聴覚等五感全てを働かせて感性を鍛えましょう。体力の衰えは当然ですが、さりとて歳相応に使わなければ衰退します。私は4年前に胃の部分切除を受けましたが、翌日にはベットから起こされ歩行訓練をさせられました。お蔭で寝たきりにならずにすみました。歳を取ると周りから労わられていますから、嫌なこと、つらい事からも離れ、気儘に自由な時間を過ごさして貰っています。楽しくて満たされて有り難い毎日が健康に繫がっていると信じます。

白内障の見え方−術前・術後(その2)

院長 廣辻徳彦

台風や地震などで大変だった9月ですが、最後に台風24号がやってきました。大きな被害が出ないように祈るばかりです。前回は白内障について、簡単に分類や症状を紹介しました。白内障は色々な原因で生じますが、特別なケガや被曝などということが起こらない限り、加齢という要因が最も作用します。白内障になるのを避けるために紫外線ブロックのサングラスをするのは間違いではありませんが、年齢による影響に比べればその効果はごくわずかです。白内障では「ものが歪む」、「視野が欠ける」ではなく、「まぶしい」、「かすんで見える」という症状が特徴的です。以前のマンスリーでもご紹介したように、白内障の進行を止めたり改善させたりできる薬物はありません。治療としては「手術」一択です。手術の説明をする回ではありませんが、一般的には手術の時期が遅ければ遅いほど、手術が難しくなったり合併症が増えたりします。不自由のない状態で手術を急ぐ必要はありませんが、日常生活で見えにくさが気になる、年齢的に手術を行うのが不安、という場合にはそう感じた時点、年齢的に余裕のある時に手術を考えるのが適当かと考えます。もちろん、手術を決断するのは簡単な話ではありません。手術そのものへの不安もありますが、手術後にどう見えるかも心配の種になるところです。
白内障の手術後の視力回復は、ほとんどの場合「期待に沿う」ことが多いと思います。手術に至るまで、おそらくは10年以上という時間が経過しているはずなので、自分ではそこまで進行していないと思っていても、手術後わずか1日で10年以上前の視力に戻ることになるからです。「掃除をしていたつもりでも部屋の隅にゴミが溜まっていたのに気づいた」とか、「テレビが新品のように見えた」とかいう感想を聞くとうれしく思います。しかし、期待ほどではなかったとおっしゃる声も少数ながらあります。これにはいくつかの理由が考えられます。濁った水晶体が透明な人工レンズ(眼内レンズ)に入れ替わっても、網膜や神経など他の組織の働きは変わりません。手術が成功しても、若い頃と同じように見えるという期待に届かないと感じてしまうのかもしれません。また、白内障以外の病気(黄斑変性症や緑内障など)がある場合、それによる障害は白内障手術では改善できません(術前よりは明るくなっていることがほとんどではあります)。同じ結果であっても、「これだけ良くなった」と思うか、「この程度しか良くならなかった」と思うかは、その人の感じ方にも左右されます。手術をさせていただく側としては、できるだけ感じ方に齟齬が生じないように十分な説明をさせていただきたいと考えています(コップに半分「も」水がある、とコップに半分「しか」水がない、は同じことですがそれと似ていますね)。
健康保険が適応されている眼内レンズは、「単焦点レンズ」というタイプのレンズで、強い乱視がある場合に使用される「乱視矯正用眼内レンズ」にも保険適応があります。白内障の手術は水晶体というレンズを眼内レンズに入れ替えることで、近視、遠視、乱視という屈折異常を改善できるチャンスです(当院ではどちらのレンズも使用しています)。手術後の屈折度にはわずかな誤差が出ることがあり、その誤差が満足度に影響を与える原因となることもあります。ちなみに、患者さんの負担には差はありませんが、納入価格に差があるので乱視用眼内レンズを使用できない施設もあります。保険適応のない「多焦点眼内レンズ」は、非常に良いと思う方が多い一方で、少ないながら一定の割合で結果に満足できずに再手術を余儀なくされる場合があるので、よく説明を聞いてください。
眼内レンズにも色があります。従来の眼内レンズは無色透明でしたが、手術後に蛍光灯の下で見るような色の感覚(青っぽく見える状態=青視症)が生じ、LEDなどの網膜に影響を与える青色光が透過しやすく「黄斑変性症」の一因となる可能性もあるという問題が指摘されていました。最近は黄色い着色眼内レンズが広く使用され、より自然な色の見え方で黄斑変性症のリスクも低下するのではないかと考えられています(当院では全例に着色レンズを使用しています)。手術後の見え方についての満足度は大事なことなので、よくご相談ください。


図は左から、無色眼内レンズ(背景が青)、着色眼内レンズ、通常の風景写真、青視症のイメージ写真