明るいニュースを求めて

理事長　廣辻逸郎

年が変っても、昨年秋のアメリカに始まった世界の不況の波がますますひどく拡がって来ました。世界ナンバーワンのトヨタ自動車始め自動車関連の赤字欠算予測は電機会社も製鉄工場もいや全工業に及び、輸出外需が半減し、失業者が溢れています。私達全国民全てがこれからの不景気に直面しております。タクシー強盗やひったくりが頻発し治安がいいと自慢していた日本も落ちぶれました。何百億円もの事務費を使って評判の悪い２兆円もの交付金を配るのに国会がもめています。
明るいニュースとしてプロゴルファーの石川遼がマスターズに招待されたことをテレビで報道していました。悪評高い朝青龍が国技相撲で優勝しモンゴルの国旗を振ってパレードしていました。スポーツは勝たなければ駄目ですが、これだけ横綱はじめ幕内上位が外人に占められ日本の力士がコロコロ土俵に転がされていては国技の看板を外したらと思います。若い人は余り拘らないかもしれません。
何か明るいニュースはと思っていたら、新春宮中の歌会始で来春のお題が「光」と決まったと発表されました。私は普段和歌を作ってはおりませんが、「光」は自分の仕事眼科と一番近いお題と受け止めました。雲間から射す一条の太陽のなんと明るく美しいことでしょう。
明るい暗い。美しい草花や景色。映像を楽しみ文字文章書籍をひもとく。眼球を通じて至極当たり前に生活している視覚をいかに保持・改善するかが眼科医の仕事です。眼科医から見たら何でもない眼の変化でも患者さんにとってはこのまま見えなくなったらという不安をお持ちです。最先端の医学でもどうしようもない病気がありますが光明、光の有難さ重要性を肝に銘じ日々研鑽いたします。
お日様がまぶしと手術せし老婆
笑顔でいうに笑顔で応ふ
白内障術後の患者さんとの診療室での応対の一齣です

健康とは！　運動について－老医のつぶやきー

中学２年生と小学５年生の体力検査の成績が報道されていました。２０年？前の成績に比べて３０％ほど低下しているとのことです。大阪は学力テストもこの運動能力も全国最低に近い数値に知事さんまたカリカリしています。数値を見なくても子ども達の体力の低下は感じていました。長時間立っておれない。走らないどころか歩かない。先を争って電車の座席を確保し、親もじじばばも自分が立って孫を座らしている。階段でなくエレベーターに乗る。学校は事故を恐れてきつい体操を避けている。親の手伝いはいいから勉強しなさい。そんな子どもは勉強せずにケイタイとゲームに熱中します。体力も学力も落ちて当然です。
体力気力なくて学力がのびることはありません。成長期は走り回って汗を一杯かき、そして勉強に精を出しましょう。随分昔ですが、某私立高校の校長先生が、「スポーツコースを新設したが、学力の悪い生徒はスポーツの成績も伸びないので止めました。」と話されていました。名を残すスポーツ選手は努力だけでなく頭も切れています。イチローは高校でオール5だったそうです。
最近はスポーツジムが大はやりで、熱心に通って走り、泳ぎ、重量上げに励んでおられる。食事も分析表からカロリー計算までバッチリである。メタボ検診を受けないと保険料を上げると役人は脅しをかけている。果たしてこの世代はどれだけ長寿されましょうか。今75才を越す高齢者は成長期に粗食に耐え、食べ物を粗末に扱わず、よく働き、体を動かし、貧乏であっても勉強を疎かにしなかった。礼儀も教わり目上を尊とび部下年下を労わった。清潔で礼儀正しい。戦前の日本人は外人にはそう映っていたと記されています。時代が変わって豊富で清潔に製造された食品。道路車が整備されて歩くことも少ない。家庭内は早くから電化されて主婦作業は軽減されている。我が家の老妻はお嫁さんからの贈物のシヨピングカーを引いてコープに行き、今日は○○が安かったとご機嫌である。朝7時に起きて12時間何かしらゴソゴソと体を動かしてそれが健康の秘密とのたまっている。